国際情報

中国の李源潮・国家副主席 訪朝で大歓待を受けた理由は名前

 朝鮮戦争休戦60周年記念行事に出席のため、中国代表団を率いて7月下旬に北朝鮮を訪問した李源潮・中国国家副主席が中朝関係のキーパーソンとして注目を浴びている。閲兵式などの記念行事では終始、金正恩第一書記の隣にいて親しげに談笑するなど密接な関係をアピール。金氏も李氏を“兄貴分”として立てる配慮を示すなど、悪化していた中朝関係の改善を強調する思惑が透けてみえるようだ。

 李氏が北朝鮮に好意を示すのにはわけがある。李氏は1950年11月生まれで、朝鮮戦争が勃発した同年6月から5か月後に生まれた。中国軍が同年10月に参戦したことから、当時の中国国内は北朝鮮支援一色に染まっていた。李氏の名前の「源潮」は北朝鮮支援を意味する「援朝」と発音がほぼ同じで、両親が北朝鮮の勝利を祈って名前を付けたという曰わくがある。

 これについては、北朝鮮側も十分に知っており、李氏が2011年6月、中国共産党組織部長兼党政治局員の肩書きで中国代表団を率いて訪朝、当時の最高指導者、金正日総書記と会談した際、金総書記の後継者と目されながらも、まだその存在があまり公にされていなかった金正恩氏が朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長の肩書きで同席し、金総書記とともに代表団との記念撮影に応じている。

 このとき、李氏は金正恩氏と親しくなり、歓迎晩餐会で隣に坐り、じっくりと話し込んでいる姿がみられた。その後も北京の北朝鮮大使館経由で書簡などのやりとりをして、親交を深めたという。

 そして、今回の訪朝した李氏は金氏から熱烈歓迎を受け、中国の最高指導者である国家主席をもてなすのと同じくらいの最高級の待遇だったと伝えられている。

 とはいえ、北京の外交筋は「金第一書記の李副主席への厚遇ぶりは単に個人的な親密さだけでなく、中朝両国の密接ぶりを見せつけることで、中国との関係悪化説を吹き飛ばし、日米間などの周辺諸国を牽制する狙いがある」と指摘する。

関連キーワード

トピックス

大谷の「二刀流登板日」に私服で観戦した真美子さん(共同通信)
「私服姿の真美子さんが駆けつけて…」大谷翔平が妻を招いた「二刀流登板日」、インタビューに「今がキャリアの頂上」と語った“覚悟と焦燥”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚を発表した(左・Instagramより)
《お腹にそっと手を当てて》ひとり娘の趣里は区役所を訪れ…背中を押す水谷豊・伊藤蘭、育んできた3人家族の「絆」
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
《前科は懲役2年6か月執行猶予5年》「ストーカーだけでなく盗撮も…」「5回オートロックすり抜け」公判でも“相当悪質”と指摘された谷本将志容疑者の“首締め告白事件”の内幕
NEWSポストセブン
硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
隆盛する女性用ファンタジーマッサージの配信番組が企画されていたという(左はイメージ、右は東京秘密基地HPより)
グローバル動画配信サービスが「女性用ファンタジーマッサージ店」と進めていた「男性セラピストのオーディション番組」、出演した20代女性が語った“撮影現場”「有名女性タレントがマッサージを受け、男性の施術を評価して…」
NEWSポストセブン
海外SNSで大流行している“ニッキー・チャレンジ”(Instagramより)
【ピンヒールで危険な姿勢に…】海外SNSで大流行“ニッキー・チャレンジ”、生後2週間の赤ちゃんを巻き込んだインフルエンサーの動画に非難殺到
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン