「酒屋の3代目として酒を売るだけでなく地元のために何かやりたかった」(傍士範靖さん)


「新しいことを始めると、なかなか認められないものですよね。ここも最初はそうでした。でももう今は違います。町の人たちは、気楽に飲めていいとしょっちゅう来てくれるし、なにかのときの待ち合わせ場所にも使ってくれてます」(傍士さん)

 いつの間にか、この店で知り合った客同士が集まって“ノンダクレーズ”なる愛好会が結成されていた。

「副会長?の私だけ転勤のために北見からの通いなんですが、40人近くいるメンバーは全員陽気なGMT(地元)。芋煮会だ、ボウリング大会だと言っては月イチペースで集まってます。角打ち合コン的な部分もありますけどね」(医薬品関係・30代)。

 そんな彼は、ここで知り合った女性とまもなく結婚するという。北見から通う本当の理由は、これでしょう。「もちろん今夜も一緒に飲んでます」

 どこから見ても常連としか思えない、60代の女性が、ママの里美さん(40歳。現在子育て中で、忙しい時間帯だけ登場)と親しげに話しながら飲んでいた。

 話を聞いてみると、「きのう、ここまで歩いてきたら、店の前の空き地で芋煮会をやっているグループに声をかけられまして。みなさんここのお客さんなんですって。楽しいままに結局店に入らなかったんで、帰る前にどうしても覗きたくて」。なんと、路線バスと鉄道が好きな一人旅で、千葉から来た一見さんだった。 

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