国内

家計への負担大きい消費増税 FPや節約専門家が抱く懸念とは

 2014年4月から消費税が現行の5%から8%に上げられることが、正式に発表された。ファイナンシャルプランナーの藤川太さんは今回の消費増税は、過去と比べものにならないほど家計に厳しいと懸念する。

「1997年の消費増税時は、所得税の特別減税を実施したため、家計へのダメージはある程度和らぎました。だけど、今回は法人税減税を核とした景気対策のため、私たち国民には3%の増税負担がまるごとのしかかるのです」

 そもそも消費税は、物やサービスなど消費行為そのものに課せられる税のこと。ファイナンシャルプランナーの花輪陽子さんが説明する。

「総務省の家計調査によれば、月収20万円の場合、総支出額の平均は約19万5000円。そのうち約15万7000円の支出が消費税の課税対象です。実に8割近くの出費に消費税がかかるんです」

 たとえば、ケータイ(ガラケー、スマートフォン)の通話料金の多くは現在30秒で21円。この1円は消費税だ。半年後には、通話料の消費税が切り上げで30秒2円に値上げされる可能性もある。

 身の回りのものが値上げされる半年後の2014年4月、家計の負担は具体的にどう増えるのか。総務省の家計調査を基に、月収別の世帯で、月々の負担増額を算出したところ、月収20万円では4740円、30万円では6869円、40万円では9287円増となる。節約アドバイザーの丸山晴美さんは、この数字はあくまで目安にすぎないと話す。

「物によっては、3%以上値上がりするものもあるでしょう。例えば、原油高によるガソリン代高騰、原発停止が続けば電気代もです。つまり、この試算以上の負担が家計にかかってくる可能性は大きいんです」

 この負担増によって、「赤字」に転落してしまう家庭が続出するというのは、前出・藤川さんだ。

「金融広報中央委員会の調査によれば、現在、日本の家庭の約25%が『貯金ゼロ』です。つまり、毎月収入と支出の金額が同じで、ギリギリでやり繰りしている家庭が多いんですよ。半年後、増税で月約1万円の負担が増えると仮定した場合、年間で12万円の赤字になってしまうわけです」

※女性セブン2013年10月17日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン