ビジネス

NTTドコモのファミリー企業重視 iPhone導入で終焉を迎えた

 iPhone発売をきっかけにNTTドコモはどう変わるのか。ジャーナリスト・須田慎一郎氏が解説する。

 * * *
 とうとうNTTドコモがiPhoneの取り扱いを開始した。ドコモ社内からは「遅すぎた」との声も多く聞かれるものの期待感は大きい。

「旧電電公社時代のお役所体質が抜けていないことがドコモの凋落を招いた。しかし、今回をきっかけに変わるかもしれない。iPhone5sが発売された『9・20』という日は旧電電公社時代から続いてきた“電電ファミリー体制”が崩壊した日と位置づけられるだろう」(ドコモ若手幹部)

 旧電電公社には「電電御三家」や「電電ファミリー」と称される親密企業グループが存在した。電電御三家とは富士通、NEC(日本電気)、沖電気工業(OKI)の大手電機メーカー三社を指す。

「旧電電公社は、電話機や通信回線などをもっぱら親密企業から調達し、蜜月関係を築いてきた。当然、高コスト体質を招いたが、独占企業であったがゆえに利用者に負担を押しつけて、電電グループは大きな利益をあげてきた」(前出の若手幹部)

 そうした蜜月関係は旧電電公社の分割・民営化後も続いた。

「富士通やNECが携帯電話の製造に参入したのはファミリー企業だから。また『ガラパゴス化』が進みiPhoneの導入が遅れたのはドコモ側がそうしたファミリー企業との関係を重視したからだ」(前出同)

 しかしファミリー企業重視という経営スタイルは今回のiPhone導入で完全に終焉を迎えた。

 大きな方針転換があれば、当然、誰かが責任を取る(取らされる)のが巨大組織の常だ。社内で注目を集めているのは今後の人事である。

「契約者の大量流出の責任も誰もとっていない。ファミリー企業重視路線を捨てたこととあわせ、責任を取らない体質を捨てなければ復活は難しい。上層部もそれはわかっているから、今度こそ大ナタが振るわれるかもしれない」(前出・若手幹部)

 NTTドコモは変われるのだろうか。

※SAPIO2013年11月号

関連記事

トピックス

真美子さんが完走した「母としてのシーズン」
《真美子さんの献身》「愛車で大谷翔平を送迎」奥様会でもお酒を断り…愛娘の子育てと夫のサポートを完遂した「母としての配慮」
NEWSポストセブン
「原点回帰」しつつある中川安奈・フリーアナ(本人のInstagramより)
《腰を突き出すトレーニング動画も…》中川安奈アナ、原点回帰の“けしからんインスタ投稿”で復活気配、NHK退社後の活躍のカギを握る“ラテン系のオープンなノリ”
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)千葉県の工場でアルバイトをしていた
「肌が綺麗で、年齢より若く見える子」ホテルで交際相手の11歳年下ネパール留学生を殺害した浅香真美容疑者(32)は実家住みで夜勤アルバイト「元公務員の父と温厚な母と立派な家」
NEWSポストセブン
今年の”渋ハロ”はどうなるか──
《禁止だよ!迷惑ハロウィーン》有名ラッパー登場、過激コスプレ…昨年は渋谷で「乱痴気トラブル」も “渋ハロ”で起きていた「規制」と「ゆるみ」
NEWSポストセブン
トランプ米大統領と高市早苗首相(写真・左/Getty Images、右/時事通信フォト)
《トランプ大統領への仕草に賛否》高市首相、「媚びている」「恥ずかしい」と批判される米軍基地での“飛び跳ね” どう振る舞えば批判されなかったのか?臨床心理士が分析
NEWSポストセブン
アメリカ・オハイオ州のクリーブランドで5歳の少女が意識不明の状態で発見された(被害者の母親のFacebook /オハイオ州の街並みはサンプルです)
【全米が震撼】「髪の毛を抜かれ、口や陰部に棒を突っ込まれた」5歳の少女の母親が訴えた9歳と10歳の加害者による残虐な犯行、少年司法に対しオンライン署名が広がる
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《新恋人発覚の安達祐実》沈黙の元夫・井戸田潤、現妻と「19歳娘」で3ショット…卒業式にも参加する“これからの家族の距離感”
NEWSポストセブン
キム・カーダシアン(45)(時事通信フォト)
《カニエ・ウェストの元妻の下着ブランド》直毛、縮れ毛など12種類…“ヘア付きTバックショーツ”を発売し即完売 日本円にして6300円
NEWSポストセブン
レフェリー時代の笹崎さん(共同通信社)
《人喰いグマの襲撃》犠牲となった元プロレスレフェリーの無念 襲ったクマの胃袋には「植物性のものはひとつもなく、人間を食べていたことが確認された」  
女性セブン
大谷と真美子夫人の出勤ルーティンとは
《真美子さんとの出勤ルーティン》大谷翔平が「10万円前後のセレブ向けベビーカー」を押して球場入りする理由【愛娘とともにリラックス】
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(秋田県上小阿仁村の住居で発見されたクマのおぞましい足跡「全自動さじなげ委員会」提供/PIXTA)
「飼い犬もズタズタに」「車に爪あとがベタベタと…」空腹グマがまたも殺人、遺体から浮かび上がった“激しい殺意”と数日前の“事故の前兆”《岩手県・クマ被害》
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン