阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
11月6日、阪神は和田豊氏(一・二軍打撃巡回コーディネーター=63歳)のヘッドコーチ就任を発表した。藤川球児監督は自身より18歳年上の監督経験者をヘッドコーチに置く体制でリーグ連覇、日本一を目指すことになる。阪神担当記者が言う。
「和田氏は2012年から2015年まで一軍監督を務め、退任後は背広組として球団オーナー付シニアアドバイザーや球団本部付テクニカルアドバイザーを歴任。岡田(彰布)政権では二軍監督として現場に戻った。そして、藤川政権1年目は一・二軍打撃巡回コーディネーターに。監督経験者が同一球団のヘッドコーチに就任するのは異例です。しかも(藤川)球児監督は1年目にヘッドコーチを置いていなかった。
在阪スポーツ紙もコーチ経験のない監督がヘッドコーチを置かないことに批判的だったが、ぶっちぎりのリーグ優勝を果たした。番記者たちをねじ伏せた格好になっていただけに、和田氏のヘッドコーチの就任発表に首を傾げる声は少なくない。和田氏はヘッドコーチ経験がなく、18歳年上の元阪神監督ですからね。しかも球児監督から“連覇のために力を貸してほしい”とお願いしたという。就任の経緯も含めて謎だらけです」
在京の編成担当者は「阪神がヘッドコーチ置いたのは、スター監督を守るため」だと見る。
「何かあった時に監督の身代わりになって責任を取るためでしょう。藤川監督が希望したというより、球団がアドバイスしたのだと思う。つまり球団は藤川監督を長期政権にしたい。通常はヘッドコーチや二軍監督に次期監督候補を置いて経験を積ませようと考えるが、阪神は和田氏、平田勝男氏がヘッドと二軍監督に配された。この両者に共通しているのは“監督を蹴落として自分が…”というタイプじゃないこと。この2人を据えたということは、藤川監督に長期政権を実現させる狙いが透けて見えます」
今季は独走でリーグを制したが、来季に向けてリスクがないわけではないと在阪のスポーツ紙デスクが続ける。
「藤川監督は“リーグ優勝した2025年のチームを壊す”と公言している。岡田監督から引き継いだチームを大きく改造したいのでしょう。ドラフト1位の立石(正広=創価大)、ドラフト2位の谷端(将伍=日大)は即戦力といわれ、立石をサードに、谷端をショートにという可能性がある。特に立石をサードで使った場合、佐藤(輝明)をライトで使うことになる。
ライトの森下(翔太)をセンターに回し、肩に衰えが見える近本(光司)をレフトにコンバートさせるなど大改革となる。成功すれば藤川采配は絶賛されるが、失敗すれば在阪メディアに叩かれる。その時の防波堤であり、その責任を取るのがヘッドコーチということになるのでしょう」
