2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
大谷翔平の投げた6球目はマイク・トラウトの一振りには当たらず、キャッチャーミットへ。その瞬間、大谷は帽子を大きく投げ飛ばし、会場は歓喜に──ドラマチックな優勝を決めてから3年、2026年3月に野球世界一決定戦「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)」が開幕する。ドジャース・大谷の参戦表明で注目度が増し、チケットはすでにプレミア状態だ。球団側は出場に難色を示したとされるが、なぜ「大谷招聘」は実現できたのか。第1回WBC(2006年)優勝メンバーでもある、ヤクルトスワローズOBで野球評論家の宮本慎也さんが解説する。
「大谷自身が少年時代から憧れ、いつか出たいと夢見ていた特別な大会がWBC。前回大会で世界一になり、夢は叶ったとはいえ、そこで終わらないのが大谷翔平。『俺が出なきゃ始まらない』くらいの自覚はあるはずで、球団が何を言っても出るつもりだったと思います」
ただ、参戦が決まった後もドジャースの監督は「打者に専念してほしい」と言及するなど、二刀流での参加に難色を示している。
「私は投げると思います。監督の心配もわかりますが、いずれにせよWBC期間中に投手としての調整はしなければならないならば、大谷も投げたいはず。球数を制限しつつ、マウンドには立ってくれる気がします」(宮本さん・以下同)
MLBで4度目のMVPを受賞するなど別格すぎるスターの存在はチームにどんな影響をもたらすのか。
「私が出場した第1回大会でも、イチローという別格の存在がいました。イチロー自身が練習から誰よりも全力を出してくれたことでチームとしてまとまることができた。今大会では、前回大会で大谷とともに世界一になったメンバーも多い。何よりも『大谷という軸』があることでチーム作りはしやすくなるでしょう」
前回大会に続き優勝を目指す侍ジャパン。「大谷参戦」で連覇なるか。
「大谷が出場しなかったら25%。それが参戦で50%まで引き上がったと思います。それほど今大会は各国の本気度がすごい。アメリカ代表には、大谷とともにMVPに輝いたアーロン・ジャッジ(ヤンキース)、大谷を抑えて本塁打と打点の打撃二冠に輝いたカイル・シュワーバー(フィリーズ)ら超豪華メンバー。そのほかの国もメジャーのスター選手が続々参戦を表明しています。そんな中での50%は充分高い数値。世界最高峰の試合を楽しみましょう」
※女性セブン2026年1月8・15日号
