ビジネス

高須院長 富裕層への所得増税に「今の税率は高くはない」

富裕層への所得増税について語った高須院長

 高須クリニックの高須克弥院長が、世の中のさまざまな事象に斬り込むシリーズ企画「かっちゃんに訊け!!」。今回のテーマは、税金と富裕層。消費税、所得税、相続税など、さまざまな税金がアップされていくなか、富裕層にとって日本は住みにくい国になっているのか? 高須院長に聞いた。 

 * * *
──来年4月に消費税率が8%に引き上げられることが正式に発表されました。高須院長としてはどう考えますか?

高須:庶民にとっては厳しいよね。そもそもアベノミクスとかいっても、まだサラリーマンの給料は上がってないんだから。このままだと、給料が上がる前に、消費税が上がっちゃうよ。

──庶民の負担は増えるばかり…といった感じですが、その一方で所得増税は、お金持ちに対する冷遇だという意見もあります。少し前ですが、avexの松浦勝人社長がフェイスブックで富裕層への所得税と地方税が合わせて55%になるのは高すぎると発言し話題になっていました。

高須:いやあ、55%は決して高くないと思うよ。だって、ぼくが国税ともめてた20年位前のころの最高税率はたしか所得税が70%で、地方税が18%だったんだから。合わせて88%。残るのはたったの1割ちょっとだよ。それが今なら45%が残るんでしょ。いやあ、今の日本のお金持ちはむしろ優遇されてるよ。

──たしかに9割を国に持っていかれていたと考えると、今の税率は良心的に思えますね。ただ、それだけではなくて、日本は相続税が高いという意見も多いです。

高須:相続税がない国がたくさんあるから、それはたしかに富裕層にとっては厳しいところ。相続税の存在が海外に出て行くお金持ちの増加の大きな原因になっているのは間違いないと思う。「俺の土地は独立国だ! だから相続税なんか払わない!」なんて主張もできないしね(笑い)。

──さすがにそれは絶対に無理ですね。

高須:とはいっても、何度も言うけど、昔に比べりゃ今の日本はお金持ちが生きやすい世の中だよ。だって、昔は1割しか残らなかったんだよ、1割しか。今の税率なら、その4倍も5倍も残るわけでしょ。絶対に恵まれてるよ。まあ、それでも、まだ税金が高いっていうなら、予定納税をするといいと思うね。

──予定納税というのは、前年の所得から算出されたその年の予定納税額の一部を前もって払っておくというものですよね。

高須:そう。最終的な税金よりも多く予定納税をしていると、余計に払っていた分が還ってくるんだけど、それには利息がつくんだよ。しかも、4.3%という利率だから、銀行に預けておくよりも、よっぽどお得。特に、前の年から比べて所得が減りそうなときほど、多めに予定納税するのがいいね。差額も増えるから。

──そんなテクニックもあるんですね。

高須:利息目当てで「10億円くらい予定納税できないの?」って税理士に聞いたら、止められたけどね。さすがに銀行代わりに予定納税するのはダメみたい(笑い)。

 * * *
 むしろ今の日本は富裕層が優遇されていると主張する高須院長だが、最近は寄付をすることが増え、納税額自体は以前に比べて減っているという。また、日本の税率の高さにうんざりして、海外に拠点を移す富裕層に対しては、「日本を大きくするようなつもりで、海外に出てほしい」と、あくまでも日本へ利益を還元すべきだと語っていた。

【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。

 昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。著書に『バカにつける薬 ドクター高須の抱腹絶倒・健康術』(新潮OH!文庫)、『私、美人化計画』(祥伝社)、『シミ・しわ・たるみを自分で直す本』(KKベストセラーズ)、『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)など。近著は『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)。

関連記事

トピックス

2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン