ライフ

大学案内学長挨拶の平均文字数 国立と私立でどっちが長いか 

 なにげない大学案内でも、学校の個性を伺うことが出来る。案内でどれだけ学長が熱心に喋っているのか、調査がある。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が解説する。

 * * *
 秋です。高校3年生たちは受験を控え、ドキドキしています。そろそろ志望校を最終決定する時期ですね。ちなみにすでに、推薦入試・AO(アドミッション・オフィス)入試などは行われております。私が非常勤講師をしている大学でも、入試が既に行われており、「◯◯学部試験会場」と書いた看板をよく見かけます。

 大学選びと言えば、貴重な情報源の一つが「大学案内」です。いわゆる、大学のパンフレットだと思ってください。大学、学部の紹介、カリキュラムの紹介、教授や在校生やOB・OGの声、就職実績などが掲載されています。

 さて、この大学案内で、学長はどれだけ語っているのでしょうか?実は、「大学案内で、学長は、何文字しゃべっているのか?」をまとめた調査があるのです。

 この調査は、アロー教育総合研究所という期間が2011年の夏に、2012年度版大学案内701冊について調べたものです。なお、現在、日本には約780校ありますから、かなり網羅していると言えます。

 学長メッセージは、調査対象の701校のうち、606校に掲載されていました。国立大学は96%、公立大学が76%、私立大学は86%が掲載されています。平均文字数は、国立大学が790文字、公立大学が704文字、私立大学が570文字でした。私立大学の方が創始者のエピソードや、建学の理念などを熱く語りそうだなと思っていたのですが、意外な結果だと言えますね。

 では、全国で最も長く話した学長はどこの学長でしょう? 1位は、愛知県の私学の雄、南山大学で、なんと6500文字です。私大の平均の約11.75倍ですよ。ちなみに、国立では、旭川医科大学が2879文字、公立大では長野県立看護大学が1470文字でした。

 逆に日本で最も短い挨拶は、日本歯科大学という私立大学で15文字。まさに、ご挨拶程度ですね。国立では愛媛大学が106文字、公立大学では秋田県立大学が48文字でした。

 気になる内容ですが、主に建学の精神や、学校の特徴、自分の教育スタンスなどに関するものが多いわけですが、中には、空襲や終戦の思い出など、自分の体験、想いを述べる方もいらっしゃいます。

 なお、表紙を開いたら、学長がでてくる学校は176校でした。

 一方、学生は、学長メッセージを重視しているのでしょうか?「良い」と思う大学案内の基準で、「建学の理念や教育目標、学長先生からのメッセージが掲載されている」をあげた学生は70%でした。大学案内でこだわる項目のうち6位となっています。低くはないですが、圧倒的上位ではありません。

 とはいえ、これもまた大事なコンテンツだと言います。というのも、推薦・AO入試においては入学の動機などに関する作文や面接があるので、この学長メッセージは参考になるからです。

 なお、大学案内は、豪華なものは極めて豪華です。日本一分厚い大学案内は東京家政大学でなんと454ページあるとか。都道府県別で言うと、人口に占める学生の割合においては、東京に大差をつけて一位となっている京都府が最も分厚く、平均103.2ページでした。

 今どきの大学案内。皆さんも、出身校や、ご家族が通っている大学のものをチェックしてみてはどうでしょう?

トピックス

今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・イメージ 写真はいずれも当該の店舗、販売されている味噌汁ではありません)
《「すき家」ネズミ混入味噌汁その後》「また同じようなトラブルが起きるのでは…」と現役クルーが懸念する理由 広報担当者は「売上は前年を上回る水準で推移」と回答
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン