ビジネス

ハロウィン拡大 日本で仮装実施率が最も高いのは30代の女性

 アメリカの風俗として映画やドラマの中で見かけるだけだったハロウィンも、日本の秋を彩るイベントとしてすっかり定着した。今では路上で仮装姿の人を見ても、誰もがハロウィンだからと納得するようになった。パーティコスチュームを販売する株式会社クリアストーンの谷口恵理子さんによると、「ハロウィン関連のコスチュームは、ここ数年、前年比1.2倍のペースで売上規模が大きくなっています」という。

「仮装パレードに大人が参加することが珍しくなくなり、家族で参加される方もいらっしゃいます。ファミリー向けに用意したおそろいの衣装などが好評です。同じものを何着か用意して友人グループみんなで楽しみたいという内容の問い合わせもあります。仮装するクラブイベントも増えていますし、ディズニーランドでは、キャラクターに限るようですがハロウィンの仮装イベントがあります。その影響も大きいですね」(前出・谷口さん)

 20年以上前に原宿で初めてハロウィンの仮装イベントが開催されたときは、外国人を中心とした参加者以外は茫然と見つめるだけだった。それから約10年後、ディズニーランドが初めてハロウィンイベントを行った1997年は、参加者によると事前応募者だけが仮装するこぢんまりとしたものだったという。

 奇しくも1997年は世界的ベストセラー、ハリーポッターシリーズの第1巻が出版された年。日本版は1999年から発行され、2001年に公開された映画も大ヒットした。暗くて分かりづらかった魔法使いの世界が日本人にとっても親しみやすくなり、子どもがすすんでハロウィンでは魔法使いに扮した。ディズニーランドでのハロウィンイベントも大規模になり、仮装の内容に制限はあるが、今では来園者すべてが楽しめる。

 日本でのハロウィンはクリスマスのように、家族で楽しむイベントと若者が楽しむお祭りの二つの形で広まった。ハロウィン用コスチュームの売れ筋にも、子ども向けと20~30代の若者向け、大きく二通りの傾向がある。

「子ども向けでは動物や妖精、プリンセスなど可愛らしいもの、大人向けでは悪魔や警察官、海賊などセクシーなものが人気を集めています。子どもは明るいパステルや鮮やかな色、大人は黒などシックなものが定番でしたが、最近は大人向けでも、ビビッドな色でモンスターに仮装できるコスチュームがよく売れています」(前出・谷口さん)

 映画やテレビ番組などの影響はとても大きく、前出の色鮮やかなモンスターは映画『モンスターズ・ユニバーシティ』のマイクとサリーを意識しているのは間違いないだろう。今年のハロウィン仮装パレードでは、作品を知らなければ理科室の人体標本にしか見えない不気味な全身タイツ姿でマンガ『進撃の巨人』の巨人に扮したグループが目立った。

 2012年11月に株式会社ドゥ・ハウスが20~59歳の男女を対象に行った「ハロウィンにおける仮装(コスプレ)実態把握調査」によれば、2012年の仮装実施率は4.2%。もっとも高いのは女性30代(11.3%)、次いで女性20代(6.0%)。前年からの変化がもっとも大きいのは男性30代と女性30代で、前年からいずれも2.6ポイントと大きく伸びている。

 仮装実施率について他の年代を見ると、男性は20代が4.0%、30代が3.3%、40代は2.0%、50代は前回が0だったのが0.7%と伸びている。女性は40代が3.3%、50代が2.7%だった。

 同じ調査で2012年に仮装した人からは「実施する人が増えたので、自分もやってみようと思った」「子どもが成長して一緒に楽しめる年齢になったから」という声があがっている。そして、2012年は仮装しなかったが2013年は仮装したい人たちも「街中で、子どもや大人の仮装を見て、家族で楽しめそうだと思った」「2012年のハロウィンが盛り上がっていたので、来年は実施してみたい」と答えている。

 周囲の盛り上に促されて来年こそは仮装しようという人が増えているハロウィン。しかし人気コスチュームは、早めに確保しないと売り切れてしまうそうだ。

「ハロウィン用コスチュームは8月終わりくらいから売れ始めます。10月になると品切れが多くなります。着たいコスチュームがある場合は、なるべく早めに手配されることをおすすめします」(前出・谷口さん)

 来年は早めに準備して、あなたも友人や家族とお気に入りのコスチュームに身を包みハロウィンを楽しんでみてはどうだろう?

関連キーワード

トピックス

世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン