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特養老人ホーム 実際の待機者は申し込み数の3分の1程度

 厚生労働省の発表によると、「特別養護老人ホーム(以下、特養)」には全国で約42.1万人もの入所申し込み者がいるという(2009年)。

 特養は原則として症状が重く、手厚い看護が必要な人のための低額の施設だが、介護保険の給付費がかさんでいることもあり、厚労省は2015年度からは要介護2以下の新たな入所者を認めないという入所基準改革案も提示している。ますます厳しくなる私たちの老後だが、困ってから探し始めたのでは遅すぎるのが現実だ。

 特養は全国に約7800か所あり、その定員総数は約51万人と充分に思えるが、現在、入所を申し込んでいる人、つまり待機者の数は約42万人にものぼる。なぜ、待機者がこれほどまで増加してしまったのだろうか?

「一般的に入所申し込み者数イコール待機者数だと見られていますが、1人が複数の施設に申し込んでいる場合も多いため、実際の待機者数はおよそ3分の1程度だと考えられています。

 ただ一方で、『申し込んでも無理だから』と申し込みたくても諦める人もいるので、潜在的な待機人数はもう少し多いかもしれません」と話すのは、介護に関する著書も多い作家の本岡類さん。9月18日には、厚生労働省が2015年度から特養の入所要件を要介護3以上にするという方針を提示したが、すでに現場では要介護2以下の入所は厳しいものになっていると指摘した。

 介護ジャーナリストの小山朝子さんも、

「申し込んでも、特養は先着順ではなく、より生活が困難な人から入所できるシステムのため、いつ入れるかが把握しづらい。実際は、独居で認知症とか介護する人手が全くないという状況でない限り、要介護3でも難しいですね」

 とシビアな状況を説明する。

※女性セブン2013年11月14日号

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