かつて栄華を極めた“民放の雄”フジテレビは、なぜここまで堕ちたのか。その原因を探ると、これまでフジテレビを支え続けた「バラエティ」が、最近ではほとんど機能しなくなってしまっている現状が浮かび上がってくる。
最高視聴率27.9%を記録し、フジの「三冠王」の象徴だった『笑っていいとも!』の来年3月終了が決定した。昨年の平均視聴率は6.5%と、近年は不振に喘いでおり、終了は既定路線といわれていたが、実際に決定するとさすがに衝撃が走ったという。同局の制作スタッフが語る。
「終了は番組関係者も聞かされておらず、一部の上層部しか知らなかった。後番組の構想を練る期間を考えると、来年3月は難しいと思っていたので、この発表には驚きました」
肝心の後番組はというと、SMAP・中居正広の情報バラエティで調整が進んでいる模様だ。
「『いいとも!』メンバーで代わり映えのしない布陣に落ち着きそう。新鮮味がなくて視聴者に飽きられたのに、何も変わらないと局内に不満は渦巻いている。
後番組について、やりたい企画があれば出すように局内公募の形を取っていたが、“ただのガス抜きでしょ?”と冷めています」(前出・制作スタッフ)
さらに追い打ちをかける事態が続く。
人気番組『ほこ×たて』で、出演者が「やらせ」を告発。さらに、昨年放送されたラジコンカーとサルを対戦させる企画で、サルの首につり糸をつけて車と繋いでいたことが動物虐待だと問題視され、フジ公式HPで11月1日、打ち切りが公表された。
「その余波で急に組まれた代替番組でも“捏造があった”と話題になっています。
『美川・はるな愛のぶらり旅 長瀞へSL列車で行っちゃいました。松茸もあるヨSP』という旅番組だが、SL列車の車窓からのシーンで、日本のはずなのになぜか自動車が右側車線を走っている、という指摘があった。撮影の不手際をごまかすために編集時に映像を反転させたという説明でしたが、もう踏んだり蹴ったりですよ」(制作会社社員)
※週刊ポスト2013年11月22日号