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米最大手精子バンク利用者 ドナーは誰似なのかを知りたがる

 アメリカ最大手の精子バンク、カリフォルニア・クライオバンクによれば「顧客が知りたがることの断然トップが、『ドナーは誰に似ている?』ということだった。そこで我々は2009年、セレブリティ・ルック・ア・ライク(有名人のそっくりさん)プログラムを立ち上げた。これはスタッフ10人程度で会議を開き、ドナーの写真を見ながらどの有名人に似ているかを議論しながら結論を出すというもの。このプログラムは爆発的に成功した。

 しかし、残念ながらブラッド・ピットやジョージ・クルーニーに似た人はなかなかいない。でも、ハンサムとは言い難い、癒し系のスティーブ・カレルの方が実際は人気があったりするのだ」(クライオバンクのコミュニケーションディレクター、スコット・ブラウン氏)

 ちなみに、このプログラムが始まる前に精子提供を受けたクライアントも、さかのぼってドナーが誰に似ているかを問い合わせることができる。

 2013年11月現在、有効なドナー数は486名。同じ提供者にリクエストが集中しないように管理されているので、ドナーリストの出入りも激しい。

 実際にドナーの紹介画面を見せてもらった。各人のコラム内に、重要な条件である目の色や髪の色、身長と共に子供時代の写真が掲載されている。大人になってからの写真は個人が特定されるので公開されていない。「そっくりさん」のスペースには有名俳優の名前が入っている人もいれば、判定会議が追いつかずに空欄のままの人もかなり多い。

 日本人のドナーは不明だが、日本人の祖先を持つドナーは5名いた。うち1名は「浅野忠信似」と書いてあった。思わず、「金城武に似た人はいないか」と探したけれど、そう都合良くいくものではない。

 このようにオンラインショッピング感覚でドナーを選択できるのが、クライオバンクの“ウリ”だ。クライアントたちはショッピング画面を眺めたあと、速い人で数時間内にドナーを決定、慎重派は1年以上かけてじっくりと検討するらしい。平均は40日程度だ。

※週刊ポスト2013年12月13日号

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