国際情報

中国の有名ブロガー 防空識別圏設定を「世界が嘲笑」と批判

 日中関係の今後を考える上で、「防空識別圏」は避けて通れない。中国の情勢に詳しいジャーナリスト・富坂聰氏が指摘する。

 * * *
 日本にとっては寝耳に水だった中国による防空識別圏の唐突な設定。直後には国民の9割近い人数がこれを支持したとの報道もあり、中国国民が大いに溜飲を下げたかのようにも受け取られたのだが、現実はそれほど単純な話でもなさそうだ。

 というのも、ネットには国防部の動きに対する批判が少なからず見つかるからだ。なかでも話題を呼んでいるのが、丁トウの筆名で政治評論を続けている有名ブロガーの痛烈な批判だ。

 タイトルは〈中国の防空識別圏設定はいかにして国際社会から嘲笑されたのか〉だ。

 ちなみに丁トウ氏が政治評論員、国際政治研究者などの肩書で発信し続けるブログは人気が高く、「鳳凰網が選ぶ2012年最も影響力のあるブロガーベストテン」、「中国社会に影響力を持つ百人のブロガー」などにも選ばれている。

 今回の防空識別圏設定に対する批判は、主に中国から見た設定へのプロセスの稚拙さに向けられていて、準備不足や全体としての戦略の欠如をしてきしたものである。そのため日本で起きた批判とは一線を画するのだが、要するに「場当たり的である」との批判は、冷静さを欠く政治の危うさを指摘していると受け止めれば得心がゆくものだ。

 戦略があることも日本にとっては怖いことだが、戦略のない中国はそれ以上に大きな脅威に間違いないからだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン