ライフ

異性からの年賀状 不用意なひと言が危機もたらすこともある

 出す人は減ったが、まだまだお正月に年賀状は欠かせない。しかしそこには一定のマナーが必要では、とフリーライターの神田憲行氏が考察する。

 * * *
 私は毎年だいたい100枚くらいの年賀状を出して、同じくらいの枚数の年賀状を受け取る。ご無沙汰している人の近況の知らせや、普段よく会っている人から思わぬセンスの良い年賀状を受け取ったり、楽しい。

 今年も元旦のポストに届いた年賀状を自分宛と妻宛に仕分けしていて、ハッとして妻に悟られぬようにこそこそ隠した1枚があった。

「今年も飲みに行きましょうー」

 手書きの挨拶でそう書き込んであった。4人ぐらいのグループで1度だけ飲んだことがある女性からで、そんなに親しくもない。しかし以前にも女性から同様の書き込みがある年賀状を妻が発見し、ちょっと妻の雰囲気がおかしくなった。

 こういう社交辞令の書き込みで家庭内に要らぬさざ波を起こす行為を、私は「年賀状テロ」と呼んでいる。

 考えすぎと言われるかもしれないが、実際、夫宛に来た女性からの年賀状を気にする妻族はいる。

「女性から夫宛に『○○さんとじゃないとダメです。また共にお仕事しましょう』と書いてあった年賀状にはモヤモヤしました。旦那さんに聞いたら『えっ会社の後輩だよー』でしたが」(30代女性)

「書かれてたら、モヤっとしますね。プラス、本人以外の人が目を通す可能性のある年賀状に、不用意な一言を書いてしまう相手のスキルにイラっとしてしまうと思います」(40代女性)

「独身女性から旦那宛の年賀状で 『元気??また飲みに行こうよ!』のようなコメント付きだったので、結婚しました感を前面に押し出した新婚ラブラブ年賀状を送り返してやった」(30代女性)

 ちょっと周辺に聞いただけでこれだけ証言が集まるのだから、潜在的に「モヤモヤ」する妻は多いに違いない。しかもこれは日本人だけではないようだ。ベトナム人の妻を持つ男性からの証言。

「私宛に届いた年賀状を、妻が『これは男性から? これは女性から?』と仕分けをして、『女性の比率が高すぎる。これは結婚した男性として問題だ』と詰問されました。比率は女性からが3分の1くらいだったんですが。年賀状に書かれた内容がわからないベトナム人の嫁でも、数はごまかせません」

 来ただけで怒られちゃうのだから頭を抱えるしかない。

 しかも「飲みに行きましょうね」と書いた側に、なんの「罪の意識」もないのがやっかいだ。

関連キーワード

トピックス

(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト
離婚を発表した加藤ローサと松井大輔(右/Instagramより)
「ママがやってよ」が嫌いな言葉…加藤ローサ(40)、夫・松井大輔氏(44)に尽くし続けた背景に母が伝えていた“人生失敗の3大要素”
NEWSポストセブン