ライフ

雑誌の「高齢者の性特集」 批判に対する3つの反論骨子紹介

『週刊文春』(1月16日号)の記事「誰が読むの? 『現代』『ポスト』の老人セックス特集」で、本誌を批判した気鋭の思想家、仲正昌樹・金沢大学法学類教授。

 本誌は読者である多くの中高年男性たちに、「もっと自らの欲求に正直でいい」と知らせるという確固たる目的意識をもって取り組んでいる。そこで、仲正教授へ断固として反論させていただきたい。反論の骨子は、以下の3点である。

【1】それでも世間の多くの高齢男性たちは「老いらくの恋は恥ずかしい」という固定観念に囚われ、損をしている、ということ。

【2】高齢者のセックスは一部の恵まれた人々だけに開かれたものではない、ということ。

【3】セックスのない老後より、ある老後のほうが素晴らしい、ということ。

 そもそも世の男性たちは、「世間からの同調圧力」として仕方なくセックスにこだわっているのだろうか。それは違うと断言する。多くの中高年男性たちはまだ精神的にも肉体的にもセックスを望んでいるのだ。

 東京・神保町のアダルトビデオショップを観察していれば、それはよくわかる。ある大型店舗の従業員によれば「DVDを購入する客の5割近くが60歳前後か、それ以上の高齢者」と証言する。

 若者たちはアダルトコンテンツをネット上で入手する傾向が多いとはいえ、これは驚異的な数字である。

 約7000人を対象とした性生活調査「ジェクス・ジャパン・セックス・サーベイ」によれば、60代男性の65.6%が、「1年以内に自慰行為をしている」とのデータもある。

 昨年、「70代の体力が過去最高」「12年前より5歳若返る」という文科省の調査が発表された。ならば当然セックスの“定年”も延長されてしかるべきだ。

 しかし不幸なことに、世の中高年の大多数はその機会に恵まれていない。自らの性欲をもてあまし、人知れず自慰行為で処理している。それが実態なのだ。

※週刊ポスト2014年1月31日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン