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喫煙で発症増える手足の血流途絶えるバージャー病に新治療法

 バージャー病(閉塞性血栓性血管炎)は、今から100年程前に発見された病気だ。患者は20~40代の喫煙歴がある男性が大半だが、最近では女性の増加も指摘され、国内の患者数は約1万人と推計されている。衛生環境の改善と喫煙人口減少で先進国の患者は減少気味だが、中国、インド、東ヨーロッパなどでは増加している。

 この病気は手足の血管が閉塞し、血流が途絶えるため、手足の冷感や痺れの原因となる。また歩くと足に痛みを感じる間欠性跛行や急速に重症化し、手足に潰瘍や壊疽を生じることもある。禁煙以外に確立した治療法はなく、20~40%の確率で手の指などの小切断となり12%で膝での大切断となる。

 国立循環器病研究センター心臓血管内科の河原田修身医長に話を聞いた。

「禁煙と血流改善薬の内服でよくなる方もいらっしゃいますが、それでよくならない難治性の方の治療は今まで確立されていませんでした。一部バイパス手術も行なわれることがありますが、再閉塞の問題も指摘されています。なんとかしたいとバルーンカテーテル治療を試みました。これまで9例に実施し、全例で治療後すぐに痛みが軽減し、切断を回避できました」

 治療は局部麻酔で実施し、4時間の安静後は歩くこともできる。現在、足で7例、手で2例に実施し、ほとんどは1回の治療で回復している。喫煙を再開した2人の患者は再狭窄したので、再度治療を実施した。体への負担が少なく何度でも実施できるのもこの治療の特徴で、全国への治療技術の普及が期待される。

■取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2014年1月31日号

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