「コンビニやファストフードの発達、食の欧米化や外部化など理由はいろいろ言われていますが、みかんの場合は日本人の生活様式が大きく変わった影響がとても大きい。日本の冬につきものだったコタツがない家が増えたのと合わせるように、みかんの消費が減っています。コタツに代表されるような、生活する上でみかんを手に取る環境が減っているのだろうと推察しています」(前出・近藤さん)
それでは環境を整えようと、同協会では「デスクdeみかん」と題した健康セミナー、社員食堂でのみかん配布イベントを5年前から実施している。みかんを手に取るシチュエーションを新たにつくろうという狙いだ。同じ場所で販売イベントも行っているが、初年度は10キロが100箱、最近は1日で57箱も売れるなど、みかん離れとは無縁の人気ぶりだ。
みかんを買えるチャンスを待っている人は予想外に多そうだ。しかし、箱単位で購入するのが難しい人も多いだろう。個包装になって駅に自動販売機が設置さるなど手に取りやすい環境が増えたら、くだもの消費量ランキング1位に返り咲く日がくるかもしれない。