国際情報

櫻井よしこ氏・呉善花氏 今後の対韓国外交のポイントを語る

 2014年の日本外交にとって、大きな課題となるのは日韓関係だ。韓国は一層反日を強め、中国とも連携を図る姿勢のようにも見えるが、実際はどうなのか。ジャーナリストの櫻井よしこ氏と評論家の呉善花氏が分析する。

 * * *
呉:韓国がいくら擦り寄っても、中国は絶対に韓国を「対等な国」とは見ないでしょう。朝鮮半島を取り込もうというのが中国の狙いです。しかし南北統一は絶対にさせない。利用するだけ利用して、いつも裏切るのが中国です。今の韓国はその罠にまんまと嵌っているように見えます。

櫻井:それでも中国が防空識別圏に(韓国が領有権を主張している)離於(イオ)島を含めたことで、韓国に警戒感が生まれ始めていますか。韓国が突如、TPP(環太平洋経済連携協定)に参加したいと表明したことも、中国と距離を置いて日米の側に来たいという考えでしょうか。

呉:これだけ反日を煽っただけに、急に日本側につくのは難しい面もあると思います。「やはり日本は大切な隣国だ」と言い出したら、日本人は韓国を許せるでしょうか。

櫻井:朴槿惠(パククネ)大統領の登場で、日本人の対韓感情が害されたことはたしかです。しかし、「国益のため、韓国とは同じ方向を向く必要がある」と言えば、感情論では素直に頷けなくても、納得する日本人は多いと思います。日本人には感情と理性の区別はつきますから。

呉:それが日本人の精神性ですね。しかし逆にそのことが韓国を甘やかしてしまう。  私は韓国を受け入れるにしても、彼らの我が儘な言い分に乗らず、毅然とした態度を見せ続けるべきだと考えます。

 韓国人は交通事故を起こすと、まず「お前が悪い」と相手を責めます。その時、少しでも謝ったらすべてこちらが悪いことにされてしまいます。譲歩できない部分では毅然とした態度を取りながら、外交では協力しましょうという態度に徹したほうがいいと思います。

櫻井:その通りですね。慰安婦問題にしても、やってもいない強制連行を世界中に喧伝され、間違ったイメージを広められている。韓国に対してはもちろん、国際社会に向けても、しっかり言うべきことは言わなければいけません。

呉:日韓関係は、後になればなるほどこじれていくと思います。その場しのぎで謝っていたら、問題は永遠に解決しません。だから、日本はすぐに毅然とした対処をしなければならない。今が最後のチャンスだと思います。

櫻井:日本は今年がまさに正念場、安倍首相ならやってくれると思います。

※SAPIO2014年2月号

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト