芸能

ディカプリオ 念願の初オスカーの可能性を映画評論家が分析

ジャパンプレミアに出席したディカプリオ。初オスカーなるか

 レオナルド・ディカプリオ(39才)が公開中の主演映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』で、アカデミー賞の主演男優賞を獲得できるのかに注目が集まっている。

 マーティン・スコセッシが監督を務めた同映画でディカプリオは、26才で年収約49億円を稼ぎ出した実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートを熱演。71回ゴールデン・グローブ賞主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞し、本年度アカデミー賞の主演男優賞にもノミネートされている。

 これまで、アカデミー賞には縁がなかったディカプリオ。

 主演男優賞でのノミネートは、『アビエイター』(2004年)、『ブラッド・ダイヤモンド』 (2006年)の2度だけで、今回で3度目となる(助演男優賞では『ギルバート・グレイプ』でノミネート)。

 ノミネートが有力視されながら、果たせなかったことは数知れない。1997年のメガヒット作『タイタニック』、スコセッシ監督と組んだ『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年)、『ディパーテッド』(2006年)、『J・エドガー』(2011年)と、いずれも演技力は評価されながらもノミネートされなかった。

 ハリウッド事情に詳しい映画評論家の町山智浩さんはこう語る。

「アカデミー賞を選ぶ仕組みが一因です。アカデミー賞の本選は、監督や俳優、プロデューサーといった映画関係者から構成されるアカデミー会員約6000人の投票により決められますが、ノミネートはその部門に関わる人たちが選出します。

 つまり、俳優の各賞のノミネートの選出は、俳優たちが行っています。ディカプリオがこれまで2回しか主演男優賞にノミネートされていないのは“俳優仲間”から演技があまり評価されていない、と言うことができます。俳優仲間から嫌われているのではないか、という声さえあります」

 今回ノミネートされたということは、彼にとってハードルをひとつクリアしたことになる。おまけに、アカデミー賞の前哨戦といわれているゴールデン・グローブ賞の主演男優賞を既に受賞しており、現時点でオスカーにかなり近づいていると言えるが、受賞の可能性は?

「ディカプリオは今作では、投資詐欺を繰り返すジョーダン・ベルフォートの狂気的な一面を大げさに、そしてシリアスに見事に演じています。ただ、今回5人がノミネートされているなかで、2番手だと私は見ています」
 
 と町山さんは指摘する。有力なのは『ダラス・バイヤーズクラブ』に主演したマシュー・マコノヒー(44才)だという。マコノヒーはHIV感染しながらも未承認エイズ治療薬の販売組織を立ち上げ、政府と製薬会社に闘いを挑んだ実在の人物ロン・ウッドルーフを演じ、ゴールデン・グローブ賞の主演男優賞(ドラマ部門)を受賞している。

「ゴールデン・グローブ賞の主演男優賞は、ドラマ部門とミュージカル・コメディ部門の2部門にわかれています。今年はドラマ部門ではマコノヒーが、ミュージカル・コメディ部門ではディカプリオが受賞しました。一方、アカデミー賞はジャンルがわかれていないので、主演男優賞は1人しか選ばれません。

 今までのアカデミー賞の歴史では、ゴールデン・グローブ賞のミュージカル・コメディ部門とドラマ部門の主演男優賞の受賞者が、アカデミー賞でぶつかってきました。そして、毎年のように、ドラマ部門の男優が勝っているんです。ミュージカル・コメディ部門の男優が勝ったことはほとんどありません。アカデミー賞ではコメディよりもシリアスなものやより社会的なテーマを掘り下げた作品、そして、そうした作品に出演した俳優が受賞しやすい傾向にあります。そんな背景からも今回もマコノヒーが本命でしょう」(町山さん)

 またしてもレオ様は涙をのむのか? 注目のアカデミー賞発表は3月3日。

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