芸能

イル・ディーヴォ カナダの地方都市まで追っかけるファンも

 2004年にデビューし今年10周年を迎える4人組ボーカルグループ、イル・ディーヴォ。今、彼らは4度目の日本ツアーの真っ最中。会場には、彼らの歌声を生で聴きたいという老若男女の多くのファンが全国から押し寄せているという。こんなにも人々のハートを掴んで離さない彼らの魅力とは?

 日本では、特に40~60代の女性を中心に根強い人気を誇るが、ファン歴8年のフードコーディネーターの本川清花さん(37才)は、イル・ディーヴォに近づきたい、どうしても会いたいと海外まで出かけたひとり。

「初来日の時の席がステージがよく見えない残念な位置だったので、“次は最前列で見たい!”と思ったのが、海外まで行くことになったきっかけですね」(本川さん)

 ネットで調べてみると、日本では即完売だったチケットも、海外の地方都市では余裕があることに気づき、カナダ・エドモントンの公演の席をゲット。なんと前から5列目の席だった。

「それが、メンバー1の美形・ウルスのまん前の席で、何度も目が合ってしまって…。私だけを見ているわけではないと思うんですが、こんな素晴らしい思いができるならば、飛行機で何時間もかけて行くのも苦ではないと思って」(本川さん)

 海外コンサートの良さを知ってしまった本川さんは、2009年、カナダのケロウナの公演にも出かけ、公演を見た帰りには、なんと、次の公演地へ向かうメンバーと同じ飛行機で移動という幸運に恵まれた。

「小さなプロペラ機でしたので、2列前の席にカルロス、すぐ後ろの席にデイヴィッドとセバスチャンがいるような状態でした。彼らの歌も震えるほど素晴らしいですが、人柄も温かいんです。特にデイヴィッド! 日本語を勉強していて、コンサートのMCは日本語で話してくれるんです。“やっぱり、話がわかるとうれしい”と一緒に行った母が感激していました。その感謝と感激を伝えたくて、勇気を出して話しかけたら、気さくに応じてくれて…なんてステキな人たちなんだろうと惚れ直しました」(本川さん)

 本川さんはそんな気持ちを自身のブログ『モトサヤのおいしい生活』で発信している。

 ファン歴9年の主婦・かっこさん(50才)は、歌だけではない、人としてのイル・ディーヴォの魅力に感化されて、行動を起こした。

「彼らのおかげでブログも覚え、ネットの使い方も学び、私の世界が広がりました。私の周りには彼らのファンがいないので、誰かに気持ちを伝えたくて、ブログ(『かっこのミーハー爆裂日記!!』)を始め、曲の感想や彼らの情報を徒然なるままに書きこんでいたら、いつの間にか、多くの人が感想を寄せてくれて…」

 そして、2011年3月11日に起きた東日本大震災で、彼女は改めてイル・ディーヴォの歌の力に驚く。

「宮城県石巻市にいたファンのかたが“ライフラインが途絶えた暗闇の中で、携帯の着信音にしていたイル・ディーヴォの『アヴェ・マリア』が鳴り響いて、その歌に涙が止まらなかった”とブログにコメントを寄せてくれたんです。彼らの歌の力を知るとともに、勇気づけられた人たちの思いをどうにか、彼らに伝えたいと思いました」(かっこさん)

 そこでチャリティーイベントを思いついた彼女は、ブログで『IL DIVOを聴く会』の開催を告知。ファン30人を集めて義援金を募った。その内容と石巻市のファンのコメントを英文にまとめ、来日したイル・ディーヴォに届けようとパンフレットを作成した。

「来日した時に彼らが泊まると噂に聞いたホテルのロビーで待つくらいしか思いつかなかったので、半信半疑で行ってみたら、10分もしないうちに彼らが現れて、偶然にも手渡すことができました。平凡な主婦の私がチャリティーイベントを開催するとかあり得ません。なにかが私を通じてやらせているとしか思えない。本当に彼らに出会えて幸せです」(かっこさん)

 かっこさんの笑顔には、充実感がみなぎっていた。

※女性セブン2014年3月20日号

関連記事

トピックス

ビエンチャン中高一貫校を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月19日、撮影/横田紋子)
《生徒たちと笑顔で交流》愛子さま、エレガントなセパレート風のワンピでラオスの学校を訪問 レース生地と爽やかなライトブルーで親しみやすい印象に
NEWSポストセブン
鳥取の美少女として注目され、高校時代にグラビアデビューを果たした白濱美兎
【名づけ親は地元新聞社】「全鳥取県民の妹」と呼ばれるグラドル白濱美兎 あふれ出る地元愛と東京で気づいた「県民性の違い」
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
『ルポ失踪 逃げた人間はどのような人生を送っているのか?』(星海社新書)を9月に上梓したルポライターの松本祐貴氏
『ルポ失踪』著者が明かす「失踪」に魅力を感じた理由 取材を通じて「人生をやり直そうとするエネルギーのすごさに驚かされた」と語る 辛い時は「逃げることも選択肢」と説く
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《巨人の魅力はなんですか?》争奪戦の前田健太にファンが直球質問、ザワつくイベント会場で明かしていた本音「給料面とか、食堂の食べ物がいいとか…」
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン