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オカモト海外部長「中韓との外交不安は売り上げに影響ない」

 日本ナンバー1のコンドームメーカーとして今年1月には、「厚さ0.01ミリ」という『オカモトゼロワン』を発表したオカモトは、急成長中の海外にも進出している。

「オカモトのコンドームが目指す海外でのブランドイメージは、レクサスでありオメガなんです」

 岡本邦彦・海外部長は開口一番こういった。彼は創業者・巳之助氏の孫にあたる。実はオカモト製品は、日本市場での出荷数より、海外市場での出荷数が上回っている。現在、日本以外のアジアで1億5000万個以上、欧州、アメリカでも各約1億個を売り上げている。ちなみに韓国でのシェアはオカモトが第1位。中国やアジア諸国、欧州の一部でも上位に食い込む健闘ぶりだ。

「日本と中国・韓国との外交不安は、今のところコンドームの売り上げに影響していません」

 しかし、この実績は一朝一夕に達成できたわけではない。50年前から、香港に営業拠点を設けてアジア地区を攻略。タイでも、2004年に現地工場を買収するなど積極的な攻勢をかけている。岡本部長は笑った。

「カンボジアでは“オカモト”といえばコンドームの意味。私が当地のホテルでチェックインする際に、『コンドームと同じ名前じゃないか!』と驚かれたほどです」

 シンガポールやベトナムなどASEAN諸国でもオカモトは、薄くて高級、高品質なコンドームとして広く認知されている。

「インドと中国は今後も成長が見込めるだけに、いっそうの営業努力を重ねていきます」

 インドは欧米や国内メーカーが先行しているものの、オカモトはその一角を崩しはじめた。中国ではオカモト製品の販売数量が近年1.5倍ペースで伸びている。年内にも広東省の新工場が稼働予定で、トップシェア奪取に拍車をかける。

「北米では、今後も強大な現地メーカーとの競争が続くでしょう。南米に関しては、W杯や五輪などスポーツイベントをきっかけにして、本格的な市場開拓に乗り出したいですね」

※週刊ポスト2014年3月28日号

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