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福島県浪江町で全世帯にタブレット端末が配布された理由とは

 考古学的レビューブログ『みたいもん!』管理人。著書に『あたらしい書斎』(インプレスジャパン)などがある、いしたにまさき氏が、ネットに関するトピックを紹介。今回は、浪江町で配布されたタブレット端末の話題です。

 * * *
 福島県の浪江町というと、何を想像するでしょうか。2013年のB-1グランプリで最高賞を受賞した「なみえ焼そば」を思い浮かべる人もいるかもしれません。しかし、やはり多くの人が思うのは、被災地としての浪江町。町全体が福島第一原子力発電所の事故以降、避難指示区域となっている場所でもあります。その浪江町が2014年末までに町民約1万人の全世帯にタブレット端末を配布することを決定しました。

 その理由は大きく2つ。1つは原発事故で全国に散らばってしまった町民同士のコミュニケーションのため、もう1つは町からの情報発信の強化です。

 また、今回の試みがユニークなのは、この配布されるタブレット端末を、ただ配るだけで終わるのではなく、ちゃんと町民に使ってもらうため、「コード・フォー・ジャパン」と連携すること。「コード・フォー・ジャパン」とは、民間のIT技術者が中心となって設立され、ITを駆使して地域が抱える問題を解決することを目的とした非営利団体です。浪江町復興の役に立ちたいという技術者を公募、駐在・派遣し、住民との意見交換やサポートを実施するそうです。

 テクノロジーと町民の活動が力を合わせることで、「避難」という困難な課題を解決すること、さらにはこの活動が自治体と民間連携の成功事例となることも期待されています。

※女性セブン2014年5月1日号

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