中国国営の新華社電などによると、中国の李克強首相が4月中旬、中国の海南省で会議のわずかな休憩時間を利用して、会議会場近くのコンビニエンスストアに立ち寄り、地元特産のココナッツを使ったパイのお菓子を2箱購入した。これは政治家にありがちなパフォーマンスで、習近平・国家主席が昨年末、北京の庶民的な肉まんチェーン店で食事をしたことに対抗した形だ。
李氏は海南省でアジアの政財界要人らが集まる博鰲(ボアオ)アジアフォーラムに出席。会議の合間に、コンビニに寄ったのだが、公表された中国中央テレビ局(CCTV)のニュース映像をみると、地元の幹部ら数人が李氏を取り巻き、近くで売られている商品を説明。その様子を地元の市民が珍しそうに、李氏を遠巻きにして見守るなか、李氏がお菓子の箱を2つもって、自らレジに行き、財布を出して代金を支払っていた。
このように、李氏の買い物風景は最初から最後までカメラに収められており、完全に政治的なパフォーマンス狙いであることが分かる。
しかも、微妙なのは払った値段だ。習氏が肉まんチェーン店で払った値段が21元(約360円)だったのに対して、李氏の場合、19元(約320円)。習氏よりもわずかだが、2元安いところに李氏の苦心のほどがうかがえる。ある北京市民は「李首相が習主席に対抗している証拠」と揶揄する。
インターネット上では、このニュースの書き込みで、「習主席と李首相の2人がそろってパフォーマンスをするくらいならば、PM2.5とかの大気汚染をどうにかするなど、もっと先にやることがあるだろう」との怒りのコメントも寄せられている。
ところで、習氏の「主席定食」はいまも大人気だが、李氏の「首相セット」もテレビやネットで取り上げられると、即完売となった。