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小島慶子 いじめに加担しようとした心理書いた理由を明かす

 歯に衣着せぬ発言、エッセイが魅力の小島慶子(41才)が、『解縛(げばく)』(新潮社)と題した自伝を上梓。高齢出産の末に生まれた小島は、母から多大な愛情を注がれたものの、その愛情には「歪み」があり、ふたりの間には、葛藤が絶えなかったという。

 大学1年のときの失恋がきっかけで、彼女は食べたものを吐き出してしまう摂食障害となる。周囲が求める“女子アナ”としてもうまく振る舞えず、「どこにも居場所がない」と追い詰められ、死にたいと思う日々。

 そんな「しんどい日々」は、結婚と出産を経て大きな転換点を迎える。不安障害の発症だ。それはマイナスのようで、プラスの出来事でもあったらしい。

「母とのしんどい関係がたたって、当時の私は完全に壊れてしまいました。世界がすべて歪んで見えました。

 その中で、救いになったのは夫の存在。取り乱している私の隣には、いつもと同じ彼がいました。私と一緒に取り乱したり、いかにも気を使ったりせず、自然体のまま。それを見ていたら、『ああ、今、私はこんなに壊れているけど、壊れているのは私だけで、世界そのものが崩壊したわけじゃないんだ』と思えたのです。

 今の私には、幸いにも私を好きだと言ってくれる人が3人います。夫と子供2人に好かれているのであれば、自分は生きていていいのかも−−そう感じられるようになったのは、不安障害になったなかでの救いでした」(小島・以下「」内同)

 さらに小島は、不安障害を克服して、ある実感を得たそうだ。それは、“「こうでなくてはならない」という考えは、その人を苦しめる”ということ。

「本にも書きましたが、私は香港で日本人学校に通っていたころ、クラスメートのいじめに加担しようとしたことがあります。その前の学校で、私はいじめられていました。転校した私は、今度はいじめる側に回って、かつての惨めな、いじめられっ子だった自分を見返してやろうとしたんです。

 私のしたことは最低です。だからこそ、いじめに加担する子供の心理のひとつの実例として書くべきだと思いました。人の心の中には悪意も、嫉妬心も、劣等感もある。そういう自分の弱さとどう向き合うかが人の値打ちを決めるのだと思います。子供のころの私はそれに失敗しました。

 今は、大人も子供も弱さを持つことすら許されていないように思います。でも、『良い子でなくてはならない』という縛りが強すぎて醜い部分を持つ自分を引き受けることができないと、悪意を克服することもできないし、他人に対しても不寛容になると思うのです。

 大事なのは、自分の悪意や欲望と向き合って『これらをどうコントロールしようか』と折り合いをつけることではないでしょうか。

 親との関係だってそう。親子関係はとかく『禁忌』として捉えられ、親に対して芽生えた憎みや疎ましさといったものを子供は語ってはならないという心理的縛りがあるでしょう? でも、最も近しい間柄だからこそ、葛藤は誰もが抱えているはず。

 その秘めたる思いを口に出して、どうしてそうなったのかを自分自身で咀嚼し直すチャレンジをする。そうできたら、もしかしたら人はしんどい関係の呪縛が解けて、もっと楽に生きられるのかもしれないと思います」

※女性セブン2014年5月1日号

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