教科書が嘘だらけなのは韓国のほうだ。例えば慰安婦問題では、〈若い女性を挺身隊という名で強制動員し(中略)一部は戦場に連れて行かれ日本軍の慰安婦とする蛮行を犯した〉(『高等学校国史』)といった記述があり、全く別物である「女子挺身隊」と「慰安婦」が混同されている。
「韓国の教科書には最新の研究では否定されていることが平気で書いてありますから、当然、研究者同士が歴史事実について議論すれば日本側が優勢になります。ところが劣勢を自覚してなのか、韓国側は途中から歴史学者ではないフェミニズム運動の女性研究者を送り込んできて、問題を女性の人権問題にすり替えようとしてきました。
本当は彼らもわかっているんです。朝鮮戦争やベトナム戦争の時に韓国軍に慰安婦がいたのも知っているし、韓国では“史実”として扱われている5000年前の朝鮮民族の始祖とされる檀君についても、オフレコでは『そんなもの誰も信じていませんよ』と軽口を叩く。しかし、記録が残る場では絶対にそんな発言はしない。対日的な場での言論の自由がない国なんです」(永島氏)。確信犯で嘘の主張を押し通そうとするわけだ。
最初から「結論ありき」なのは中国も同様。日中の歴史共同研究は2006~2010年に実施されたが、中国側は共産党政府の意向で動くため、天安門事件について研究対象から外すことを要求するなどの軋轢が生じた。中国問題評論家の宮崎正弘氏はこう言う。
「中国の大学で歴史を学ぶのは文学部史学科ではなく政治学部。中国では歴史は政治宣伝のためのもので、歴史学の上に党の方針があるのです。そういう相手と共同研究をすること自体がナンセンス」
※SAPIO2014年5月号