スポーツ

統一球問題に「弘法筆を選ばず。文句言わず練習」と金田正一

 日本野球機構(NPB)が公式戦の統一球が「飛ぶ」ボールだったと発表し、製造元のミズノも認めて以来、「飛ぶ」か「飛ばない」かで騒がしい日本球界だが、「フォークの神様」こと杉下茂氏は「投手が低めにボールを集めればよい」とバッサリ。400勝投手の金田正一氏は、もっと手厳しい。

「そんなに『飛ぶボール』が問題なのであれば、一度昔のラビットボールでやってみたらいいよ。投手なら、いかに今が恵まれているかがわかるぞ。あの時代は今よりもっと飛んでいた。なんせ打球が速すぎて見えないんだからな。おまけに昔は細工して、自分のチームの攻撃の時だけ、飛ぶボールを使うチームまであったくらいだ。その点、少なくとも今はお互い平等なんだから、文句をたれるほうが悪いわい」

 ラビットボールとは反発係数が高いボールのことで、なかでも1949年~1950年にNPBで使用された、特に反発力の強いボールのことをここでは指している。それ以前のボールより品質は良くなったが、製造工程で強く乾燥させて製造したため反発力が上がり、本塁打数が激増。ボールの反発係数を定めるきっかけとなったボールでもあった。そして金田氏は、今の選手たちに活を入れる。

「投手が圧倒的に不利だったラビットボール時代でも、ワシには収穫があったよ。打球が速いからピッチャーライナーがとにかく恐ろしくてな。ライナーが返ってきても大丈夫なように、投げた後で構えなくちゃいけない。そのおかげでピッチングフォームが良くなったんだ。今の選手は何でもマイナスに考えるが、何事も自分のためになるように意識を変えなくてはいかん。“弘法筆を選ばず”じゃ。ガタガタ抜かす前に練習しなさい」

※週刊ポスト2014年5月2日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン