その『MAMOR』で人気の企画がある。自衛官が彼女・彼氏を募集する「マモルの婚活」という連載だ。「知り合いが出ることがあるので必ず見ています。独身の部下に『投稿しろ』と募集文を書かせたこともありますよ」という自衛隊幹部もいるほどだ。
実際にこの企画を通じて結婚した自衛官も多く、「マモルの婚活で自衛官と結婚しました!」という特集も組まれた。特集内の記事「自衛官妻の覆面座談会」では、「身だしなみを仕込まれているのでアイロンがけがうまい」「海外旅行は、申請にハンコが10個ぐらい必要なので行きたがらない」というリアルな情報が明かされている。自衛官は公務員なので実は結婚相手として人気職業であり、婚活中の女性も購読しているとか。
こういった戦略が奏功し、創刊当初から部数は伸び続け、今年5月号は過去最高の3万3000部を発行した。出版不況のなかにあって、珍しく景気のいい話だ。
しかし、好調だからといって高久編集長はそこに安住しない。マンネリを防ぐため、今年から外部の編集スタッフを総入れ替えしたという。常識を打ち破る発想、それが『MAMOR』の快進撃を支えている。
撮影■渡辺利博
※週刊ポスト2014年5月2日号