国際情報

江沢民元国家主席の孫 投資会社立ち上げ免税店投資で巨利得る

 ロイター通信によると、中国の江沢民・元国家主席の孫、江志成氏が創設した香港の投資ファンドが、上海や北京の空港で免税店を展開する会社や国営の銀行不良債権処理会社への投資により巨額の富を築いているという。中国の免税店業界は、中国政府により厳しく管理されているため、江氏の投資参入には、江氏一家の影響力が強く働いているとの見方が強い。

 太子党(高級幹部子弟)が投資会社を設立、“親の七光り”など親族の影響力を駆使して利益を上げるのは常套手段だが、孫の“不正疑惑”が浮上したのは、江一族が初めて。

 江氏は今年29歳で、江沢民氏の長男の江綿恒・上海科学技術大学長の息子。2010年にハーバード大卒業後、米大手投資銀行ゴールドマン・サックスの香港現地法人勤務を経て、9か月後に香港で博裕投資顧問を創設。

 同社は香港の大富豪、李嘉誠氏が経営する長江実業集団や シンガポールの政府系投資機関であるテマセク・ホールディングスらから融資を受け、10億ドル(約1020億円)もの資金調達に成功した。

  これは志成氏の父親の綿恒氏と同じで、綿恒氏も投資会社を設立し李嘉誠氏やテマセクから資金調達を行なっている。両者とも「江沢民直系」ということが大きな決め手となったのは間違いない

 さらに、志成氏は翌2011年、北京や上海の空港で免税店を展開する「日上免税行(サンライズ・デューティフリー)」の株式40%を約8000万ドル(約81億円)で取得することで合意。博裕投資顧問の資産価値は現在、約8億ドルに上るとされ、資産を大いに増やした計算だ。

 中国では従来、免税業界は国営企業に独占されていた。しかし、1999年、当時の江沢民国家主席の指示で、上海浦東国際空港の免税店入札で、外国企業の参入が許された。しかも、落札に成功したのが江氏の遠い親戚で米国在住の実業家、江世乾氏。その後も、世乾氏は浦東空港と北京国際空港で免税店「日上免税行」を進出させ、2012年には年間売り上げが10億8000万ドルと、業界ナンバー2に躍り出ている。

「世乾氏と親戚の志成氏が同社の株式を40%も取得したわけで、この取引には裏があると疑わない方がおかしい。最近は温家宝・前首相の娘が創設した投資会社を通じて巨利を得るなど、太子党のコネクションビジネスが目立っているが、腐敗撲滅を公約に掲げる習近平指導部がこれらのビジネスにメスを入れるかどうか。その政治姿勢を問われそうだ」と北京の金融筋は指摘する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《安達祐実の新恋人》「半同棲カレ」はNHKの敏腕プロデューサー「ノリに乗ってる茶髪クリエイターの一人」関係者が明かした“出会いのきっかけ”
NEWSポストセブン
イベントの“ドタキャン”が続いている米倉涼子
「押収されたブツを指さして撮影に応じ…」「ゲッソリと痩せて取り調べに通う日々」米倉涼子に“マトリがガサ入れ”報道、ドタキャン連発「空白の2か月」の真相
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《“奇跡の40代”安達祐実に半同棲の新パートナー》離婚から2年、長男と暮らす自宅から愛車でカレを勤務先に送迎…「手をフリフリ」の熱愛生活
NEWSポストセブン
元従業員が、ガールズバーの”独特ルール”を明かした(左・飲食店紹介サイトより)
《大きい瞳で上目遣い…ガルバ写真入手》「『ブスでなにもできないくせに』と…」“美人ガルバ店員”田野和彩容疑者(21)の“陰湿イジメ”と”オラオラ営業
NEWSポストセブン
明治、大正、昭和とこの国が大きく様変わりする時代を生きた香淳皇后(写真/共同通信社)
『香淳皇后実録』に見当たらない“皇太子時代の上皇と美智子さまの結婚に反対”に関する記述 「あえて削除したと見えても仕方がない」の指摘、美智子さまに宮内庁が配慮か
週刊ポスト
「ガールズメッセ2025」の式典に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月19日、撮影/JMPA)
《“クッキリ”ドレスの次は…》佳子さま、ボディラインを強調しないワンピも切り替えでスタイルアップ&フェミニンな印象に
NEWSポストセブン
結婚へと大きく前進していることが明らかになった堂本光一
《堂本光一と結婚秒読み》女優・佐藤めぐみが芸能界「完全引退」は二宮和也のケースと酷似…ファンが察知していた“予兆”
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)
《GPS持たせ3か月で400人と売春強要》「店ナンバーワンのモテ店員だった」美人マネージャー・田野和彩容疑者と鬼畜店長・鈴木麻央耶容疑者の正体
NEWSポストセブン
日本サッカー協会の影山雅永元技術委員長が飛行機でわいせつな画像を見ていたとして現地で拘束された(共同通信)
「脚を広げた女性の画像など1621枚」機内で児童ポルノ閲覧で有罪判決…日本サッカー協会・影山雅永元技術委員長に現地で「日本人はやっぱロリコンか」の声
NEWSポストセブン
三笠宮家を継ぐことが決まった彬子さま(写真/共同通信社)
三笠宮家の新当主、彬子さまがエッセイで匂わせた母・信子さまとの“距離感” 公の場では顔も合わさず、言葉を交わす場面も目撃されていない母娘関係
週刊ポスト
Aさんの左手に彫られたタトゥー。
《10歳女児の身体中に刺青が…》「14歳の女子中学生に彫られた」ある児童養護施設で起きた“子供同士のトラブル” 職員は気づかず2ヶ月放置か
NEWSポストセブン
鮮やかなロイヤルブルーのワンピースで登場された佳子さま(写真/共同通信社)
佳子さま、国スポ閉会式での「クッキリ服」 皇室のドレスコードでは、どう位置づけられるのか? 皇室解説者は「ご自身がお考えになって選ばれたと思います」と分析
週刊ポスト