ただ、自分には自動ブレーキ機能は必要ないという運転に自信ありのドライバーでも、「つけておいて損はない」と井元氏はアドバイスする。
「どれだけ注意して運転していても、ふとした脇見で前のクルマに衝突したり、急に障害物が飛び出してきたりすることだってあります。そんなとき、自動ブレーキで半分のスピードまで減速してくれれば運動エネルギーは速度の二乗に比例するので4分の1になり、被害は大幅に軽減できるのです。
初期投資で自動ブレーキのオプション代がかかっても、1回事故を回避できたら修理代と保険料のアップ分は楽に回収できる。いくら燃費や走りのいいクルマに乗っていても事故を起こせば一瞬で台無し。安全は燃費以上のインパクトになるのです」
自動ブレーキの技術進歩の流れは止まらない。だが、高機能を過信して注意を怠れば事故を起こすのは当然。あくまでもドライバーの運転を補完する機能だということを忘れずにセーフティドライブを心掛けたい。