スポーツ

元日本代表・藤田俊哉 「今は間違いなく史上最強の日本代表」

W杯への想いを語る元日本代表・藤田俊哉氏

 抜群のパスセンスと得点能力は、当代随一ともいわれた。ファルカン、加茂周、 トルシエ、ジーコと歴代の日本代表監督を魅了し、実に10年間、日本代表のユニフォームに袖を通し続けた元ジュビロ磐田の藤田俊哉氏。彼だからこそ語れる、W杯への想いとは。

 * * *
 グループCの日本代表の前に立ちはだかるのは、コートジボワール、ギリシャ、コロンビアの3か国。FIFAランキング上では格上の国ばかりですが(日本47位、コートジボワール21位、ギリシャ10位、コロンビア5位)、このランキングは試合数や対戦国数など算出条件が一定でなく、公正な比較が難しいので、数字が示すほどの力の差はありません。厳しい試合になるのは当然ですが、日本が予選を突破する確率は十分にあると思っています。

 理想をいえば、初戦のコートジボワール、2戦目のギリシャで2勝を挙げ、3戦目のコロンビア戦は決勝トーナメントを睨んで、1、2戦で使わなかった選手を試したり、主力を休ませたりするなど、余裕をもった展開にすることでしょうか。
 
 不安な点としては、やはり故障。これまで主力として戦ってきた選手の多くが直前まで、中には今も故障を抱えた状態で招集されています。そのためリーグ戦を戦っておらず、試合勘が鈍っているし、コンディションがよくない選手もいるでしょう。しかし、ザッケローニ監督は「これまでやってきたサッカーを貫く」と信頼して招集している。それに応えるためにも、できるだけベストの状態で本番を迎えて欲しいと思います。
 
 日の丸を背負うことは、そう簡単に言葉では言い表わせない重みがあります。勝敗に対するプレッシャーもある。ただ、とにかく1勝することが目標だった我々の時代と違って、今は、日の丸の重圧に押しつぶされるような時代ではありません。選手たちには日本サッカーのために戦うのはもちろん、世界のレベルの中で自分たちのサッカーを信じて、楽しんできてもらいたいと思っています。あなたたちは間違いなく、史上最強の日本代表なのだから。
 
●藤田俊哉(ふじた・としや):1971年、静岡県生まれ。清水商高、筑波大を経て、1994年にジュビロ磐田に入団。1年目からレギュラーとなり、JのMFの中では史上初となる100得点を達成した。1995~2005年まで日本代表に招集され、国際Aマッチ24試合出場、3得点。2012年に現役引退後、指導者を目指し、欧州を中心に活動している。

※週刊ポスト2014年6月13日号

関連キーワード

トピックス

山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
「とにかく献金しなければと…」「ここに安倍首相が来ているかも」山上徹也被告の母親の証言に見られた“統一教会の色濃い影響”、本人は「時折、眉間にシワを寄せて…」【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン