ライフ

ネコの恩返し エサくれる女子中学生恐喝高校生をネコが撃退

 世の中には、奇跡のような話が存在する。32才自営業の女性が学生時代に、窮地を救ってくれた猫との不思議なエピソードを紹介します。

 * * *
 中学生の頃のことです。自宅に帰る途中に神社があり、そこは野良猫のたまり場になっていました。私は猫が好きだったのですが、団地に住んでいたので自宅では飼えず、その代わり、学校帰りに毎日、猫缶を持ってこの神社に通っていました。

 野良猫は10匹ほどおり、性格も役割もバラバラ。人なつこい子もいれば、まったくなつかないのに餌だけちゃっかり持っていく子、リーダーなのか、面倒見のいい子などなど。私はそれぞれに名前をつけ、かわいがっていました。

 ある時、いつものように神社に行くと、男子高校生数人が、境内でたばこを吸っていました。猫の姿もありません。私は急いで帰ろうとしたのですが、そのうちのひとりに、「なんで逃げんだよ」と怒鳴られ、囲まれてしまいました。

 鞄をひったくられ「猫缶が入ってる。猫なんかよりおれたちにおごってよ」と、財布をとられてしまいました。正直、財布などどうでもいいから、逃げ出したかったのですが、囲まれていて動けません。すると、猫缶を持っていたひとりが突然、「イテッ」とうずくまりました。見ると、野良猫の“リーダー”が毛を逆立てながら、フーっと、すごい勢いで男子高校生を威嚇しています。他にも数匹の猫が威嚇しており、私でも怖いほど…。

「コイツ引っ掻きやがった」と、怒った男子高校生は、私の存在を忘れたように、猫を追いかけて行ってしまいました。おかげで私は無事帰宅。

 数日後、猫缶を持って神社へ行くと、いつもの猫たちが出てきてくれました。男子高校生にひどいことをされていないか心配だったリーダーも無事で、いちばん多く餌を食べていきました。友人に話すと笑われるのですが、今でも猫たちが私を助けてくれたと信じています。

※女性セブン2014年7月3日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン