国内

中朝の核弾道ミサイルを撃墜するレーザー砲開発を専門家提言

 米国・オバマ大統領は、4月の来日の際、尖閣諸島が日米安全保障条約第5条の適用範囲にあることを明言した。しかし、財団法人「ディフェンスリサーチセンター」専務理事の杉山徹宗・明海大学名誉教授は「中国に軸足をシフトさせつつある米国には日本を守る意思も覚悟もない」と警鐘を鳴らす。だったらいかに自主防衛をすべきなのか。杉山氏が解説する。

 * * *
 すでに米国は中国が早晩グアムまでの太平洋に進出することを既定のことと認識している。そうなれば日本は中国から軍事的圧力を受けることになる。日本に求められているのは米軍依存からの脱却であり、自主防衛だ。中国は通常兵器の分野においても既に日本の数倍の戦力を保持しているうえ、核も保有している。

 もちろん、日本が核武装すれば国際社会から非難と経済制裁を受ける可能性があるだけでなく、「予防措置」として中国から核開発施設を攻撃されることが考えられる。米国にとっても日本の核開発は脅威となるため、これを是認せざるを得なくなるだろう。

 では、核武装が現実的選択肢でないとしたら、日本はどう自主防衛を実現すべきか。

 筆者は中国や北朝鮮の核弾道ミサイルを完全にシャットアウトする「レーザー砲」の自主開発を推進すべきと提言している。SFの世界のように思われるかもしれないが、既に米国では実証試験が繰り返され、韓国でさえもイスラエルの支援で50m先の標的を破壊することに成功している。将来的には「ノドンを撃ち落とす」と鼻息も荒い。

 現在、弾道ミサイルの迎撃にはMD(ミサイル・ディフェンス)が運用されているが、迎撃率は50%程度だ。秒速3万kmで飛翔する弾道ミサイルをPAC-3ミサイルで撃ち落とすことは容易ではない。

 一方、自由電子レーザーやフッ化クリプトンレーザーは水平照射すれば5000km先まで光を収束させたまま到達する特性を持ち、光速と同じ秒速33万kmの速度で確実に弾道ミサイルを迎撃することができる。

 世界の最先端を走る日本の民生用レーザー技術を活用すれば、遅くとも10年以内にMDに代わる世界最強のレーザー砲が完成するだろう。運用には早期警戒衛星と「Xバンドレーダー」の装備が不可欠だが、これも2~3年あれば国産化は可能だ。

 仮に日本が射程500kmの長距離レーザー砲を開発し、全国15か所ほどの自衛隊駐屯地に配備すれば、日本列島をすべてカバーできる。米軍なしでも確実に国家の安全保障を達成できるのだ。

※SAPIO2014年7月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

イベントの“ドタキャン”が続いている米倉涼子
「押収されたブツを指さして撮影に応じ…」「ゲッソリと痩せて取り調べに通う日々」米倉涼子に“マトリがガサ入れ”報道、ドタキャン連発「空白の2か月」の真相
NEWSポストセブン
元従業員が、ガールズバーの”独特ルール”を明かした(左・飲食店紹介サイトより)
《大きい瞳で上目遣い…ガルバ写真入手》「『ブスでなにもできないくせに』と…」“美人ガルバ店員”田野和彩容疑者(21)の“陰湿イジメ”と”オラオラ営業
NEWSポストセブン
「ガールズメッセ2025」の式典に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月19日、撮影/JMPA)
《“クッキリ”ドレスの次は…》佳子さま、ボディラインを強調しないワンピも切り替えでスタイルアップ&フェミニンな印象に
NEWSポストセブン
結婚へと大きく前進していることが明らかになった堂本光一
《堂本光一と結婚秒読み》女優・佐藤めぐみが芸能界「完全引退」は二宮和也のケースと酷似…ファンが察知していた“予兆”
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)
《GPS持たせ3か月で400人と売春強要》「店ナンバーワンのモテ店員だった」美人マネージャー・田野和彩容疑者と鬼畜店長・鈴木麻央耶容疑者の正体
NEWSポストセブン
日本サッカー協会の影山雅永元技術委員長が飛行機でわいせつな画像を見ていたとして現地で拘束された(共同通信)
「脚を広げた女性の画像など1621枚」機内で児童ポルノ閲覧で有罪判決…日本サッカー協会・影山雅永元技術委員長に現地で「日本人はやっぱロリコンか」の声
NEWSポストセブン
三笠宮家を継ぐことが決まった彬子さま(写真/共同通信社)
三笠宮家の新当主、彬子さまがエッセイで匂わせた母・信子さまとの“距離感” 公の場では顔も合わさず、言葉を交わす場面も目撃されていない母娘関係
週刊ポスト
タンザニアで女子学生が誘拐され焼死体となって見つかった事件が発生した(時事通信フォト)
「身代金目的で女子大生の拷問動画を父親に送りつけて殺害…」タンザニアで“金銭目的”“女性を狙った暴力事件”が頻発《アフリカ諸国の社会問題とは》
NEWSポストセブン
鮮やかなロイヤルブルーのワンピースで登場された佳子さま(写真/共同通信社)
佳子さま、国スポ閉会式での「クッキリ服」 皇室のドレスコードでは、どう位置づけられるのか? 皇室解説者は「ご自身がお考えになって選ばれたと思います」と分析
週刊ポスト
Aさんの左手に彫られたタトゥー。
《10歳女児の身体中に刺青が…》「14歳の女子中学生に彫られた」ある児童養護施設で起きた“子供同士のトラブル” 職員は気づかず2ヶ月放置か
NEWSポストセブン
知床半島でヒグマが大量出没(時事通信フォト)
《現地ルポ》知床半島でヒグマを駆除するレンジャーたちが見た「壮絶現場」 市街地各所に大量出没、1年に185頭を処分…「人間の世界がクマに制圧されかけている」
週刊ポスト
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(インスタグラムより)
「バスの車体が不自然に揺れ続ける」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサー(26)が乱倫バスツアーにかけた巨額の費用「価値は十分あった」
NEWSポストセブン