ライフ

エアコンの節電「微風」と「自動」「ドライ」 どれがお得か

 結局、今年の夏も暑くなったが、だからといってエアコンをガンガンに動かすわけにもいかず、光熱費節約のためにも節電が重要となる。そこで節約アドバイザーの丸山晴美さんに、エアコンでの節電のコツを教えてもらった。

 エアコンは「こまめに切った方がいい」という意見と、「あまり切らない方がいい」という意見があるが、実際にはどうなのか。たとえば、10分ほど外出するとき、エアコンはどうしたほうがいいのか?

 正解は「つけっぱなしにする」だ。エアコンは、立ち上がりの初期運動に500W~1000W程度のエネルギーを使う。その後、室温が設定温度に落ち着く約30分後には100W前後に抑えられるため、5分、10分程度の外出であれば、止めずに運転をしておいた方が節約になる。

「こまめに消すより短時間の外出なら消さないほうがむしろお得。出がけに設定温度を1℃上げておくと、さらに節電効果が高まります」(前出・丸山さん)

 では、もっと室内を涼しくした時はどうするのか。重要なのは設定温度ではなく、風量だ。体に風を受けると涼しく感じるので、風量を強めた方がいい。設定温度を1℃下げると約10%電力量が上がる。風量を強めると電力量は上がるが、室温調節に電力を使わないため、温度を下げるよりは節電になる。

「45Wの扇風機と併用する場合も1℃下げるよりも、約910円安くなります。さらに省エネ系の扇風機なら、風量を強くするのと同じ電力量にすることもできます」(丸山さん)

 そして風量設定は「微量」ではなく「自動」、がベスト。“何でも弱く”した方が電力はかからないように思えるが、実際は×。特に最初から微風や弱で起動すると、部屋を設定温度にするまでに時間がかかり、余計に電力を使ってしまうことに。電力中央研究所の主任研究員の上野剛さんは、説明する。

「部屋の状況に合わせて風量や風向を選択するのが“自動”モード。冷えてからは消費電力を抑えながら設定温度をキープしてくれるので、実は、いちばん節電になるんです」

 また、エアコンには「ドライ(弱冷房除湿)」と「冷房」という2つのモードがあるが、設定温度が同じの場合、どちらが節電効果が高いのか。

 答えは「ドライ」だ。空気の温度と湿度を下げるのが冷房、温度をできるだけ下げずに湿度を下げるのがドライ(除湿)。「東京電力の資料によると、設定温度24℃のときのコスト比較をすると、1時間あたり冷房は11円、弱冷房除湿は4.1円となっているため、ドライの方が節電に。ただし、再熱除湿という、強く冷えた空気を再び温めて除湿するタイプの場合は14.9円もかかるため、コストがかかってしまう。エアコンの除湿タイプがどちらかを、まず確認してみてください」(丸山さん)

※女性セブン2014年7月31日・8月7日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン