スポーツ

川上哲治氏「とにかく勝利への執念すごかった」とV9戦士が述懐

 巨人にV9をもたらした川上哲治監督は、「ドン」と呼ばれたほどの絶対的な権力で選手を管理し、「哲のカーテン」といわれた報道規制を敷いてマスコミをもコントロールした。栄光の1年目に立ち会った「エースのジョー」こと城之内邦雄氏(74)が「非情の名将」の真の姿を語った。

 * * *
 川上さんはとにかく勝利への執念がすごかった。勝つために、チーム内に容赦なく緊張感を漂わせていました。
 
 その一つが罰金制度。試合で全力疾走しないと罰金、サイン見逃しも罰金、カバーが遅れても、バント失敗も罰金。何でも罰金だから、気が抜けない。2ナッシングから打たれたら罰金というのまであった。夏場は走者がいなければ1球でも球数を減らしたいが、罰金は払いたくない。頭にきて2ナッシングからバックネットに投げたことがありました(笑い)。
 
 それに若手もベテランも関係なく、競争原理を敷いていました。不動の正捕手だった森さんも例外ではありません。当時はスタンドから平気でサインが盗まれている時代だったので、時にはサインと違う球を投げなければいけなかったが、森さんはどんな球でもサイン通りという顔で捕ってくれた。そんな森さんがいるのに、川上さんは毎年のように新人捕手を獲得して、プレッシャーをかけ続けていました。
 
<こうした川上のやり方は、「エースのジョー」に対しても同じだった。V9初期の功労者であった城之内が1971年、突如球界から姿を消したことを覚えているファンも多いだろう。そこには川上監督から疎まれたという事情があった>
 
 1969年に腰を痛めて、4勝で終わってしまった。それ以降、登板機会がガクッと減りました。確かに年々成績は下降していたし、堀内恒夫や高橋一三といった20勝を挙げられる後輩も育っていた。勝負の世界だから、落ち目の投手はいらないというのは僕もわかる。だから必死で治して、1971年にはまた投げられるところまで持ってきていたんです。

関連記事

トピックス

真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン