そして、田原ならではの人生観が「気のせい」と言わせたのではないか、という分析もある。というのも、ドラマ『教師びんびん物語II』(フジテレビ系)に主演し月9初の視聴率30%越えを果たし、田原の人気が絶頂期にあった1989年のインタビューでこう答えているからだ。
〈良い時ってそんなに続かないと思うんですよ。僕も10年やってるけど、苦しいときの方が多かった。(中略)成功しているときはいいけどね、こけてるときは結構悲惨なものがありますけど、いつも本音で生きるのが男っぽさじゃないかなと僕は思っています〉
前出・芸能記者が語る。
「田原は、世間がいかに無情かを誰よりも知っている。一般的には、“ビッグ発言”で一気に手のひらを返されたと思われがちですが、絶頂期から既に悟っていたのです。
『3年B組金八先生』の生徒役でデビュー後、瞬く間にアイドルになりましたが、デビューして6年経つと低迷期が訪れた。その後、ドラマ『教師びんびん物語』の主題歌『抱きしめてTONIGHT』で再ブレイクを果たしました。
1980年代の栄枯盛衰激しいアイドル界を生き抜いてきた田原は、格段の経験値を持っている。たとえ今は良い流れが来ていても、いつまた途絶えるかわからないと知っているし、それは自分の力でどうにもできない部分もある。
だからこそ、浮かれることなく、足元をしっかり見て、自分のやるべきステージに全力を尽くそうと考えている。現在の再ブレイク状態は、周囲に惑わされることなく、地道に歌って踊ってきた結果だと思います。これからも、どんな状況になろうとも、その姿勢は変わらないでしょう」(同前)
田原俊彦が自分で「再ブレイク」を認めない背景には、こうした事情があるようだ。