ビジネス

牛丼が「三社三様」の変革期に突入 過去の常識は通用せず?

 大手牛丼チェーン3社が変革期を迎えている。それぞれの経営戦略の向こうに「明日の牛丼」は見えるのか!? 食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が紹介する。

 * * *
 いま、牛丼業界がかつてない大変革期に突入している。その象徴的なできごとが、いま話題の松屋の「プレミアム牛めし」の発売だ。牛丼各チェーンは消費者から「味の吉野家、種類の松屋、価格のすき家」というイメージを持たれてきた。消費者を対象にした過去の調査も、そうした各チェーンの傾向に沿った結果が出ていたし、各チェーンのトップもそのイメージに重なる経営思想を持っていた。

 ところが今年、各チェーンの目指す行き先と世間のイメージとに齟齬が生じ始めた。

 この7月「松屋」が「牛丼の味」にこだわるという、まるで吉野家のような「プレミアム」戦略に舵を切った。もともと松屋は牛めしのほか、カレーから焼肉定食まで幅広い商品群が売り物だった。ところが7月に使用する牛肉を冷凍肉からチルド肉に切り替えた「プレミアム牛めし」を発売。「究極の牛めし」「社運をかける」という緑川源治社長は意気込んだ。ちなみに現場のスタッフからは「確かに好評だけど、きちんと作ると牛めしだけでこれまでの何倍も手がかかる。正直、現場の負担は増えるばかり」との声も聞こえてくる。

 吉野家は今年4月、味の改善を狙って、牛肉のカット厚を1.3mmから1.2mmに変え、牛肉の解凍──「熟成」方法を変えた。もっとも吉野家が目指したのは、いつの時代も「味」だった。1970年代の「ここは吉野家、味の吉野家、牛丼一筋80年♪」というCMソングもあったように、常に「味」を念頭に置いた経営戦略を立ててきた。

 それゆえ、BSE騒動で米国牛の輸入禁止措置が取られた当時も、3年近く牛丼をメニューから外した。今月末で吉野家の社長を退任する安部修仁社長が「他の産地の牛肉を使っても牛丼という商品は出せる。でも、それだと吉野家の味は出せない」と米国産牛の「味」にこだわったからだ。吉野家は、いつの時代も「味の吉野家」を目指してきた。

トピックス

憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された愛子さま(2025年5月8日、撮影/JMPA)
《初の万博ご視察》愛子さま、親しみやすさとフォーマルをミックスしたホワイトコーデ
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン