そもそも、ブラックバイトが存在している理由の一つに、サービス業を中心とした、非正規雇用のコア戦力化という流れがあります。アルバイトは決められた簡単な業務をやるということから、責任のある仕事を任され、戦力の一つになってしまっている職場が増えているのです。仕事の責任が重くなり続ける上、最近は人手不足なので、現状のバイトがますますブラック化していくという流れです。学生は、大人に対して強く言えないので悩んでしまうわけです。
では、どうすればいいのでしょうか。ブラック企業対策プロジェクトでは、前出の冊子を発表しています。PDFで無料ダウンロードできます。同団体のホームページをチェックしてみましょう。私も読みましたが、ブラック企業に対する対策と基本は一緒で、相手の話を鵜呑みにしないこと、諦めないこと、プロに相談すること(あるいはプロの発信している知識を本やネットで探すこと)、記録を残すことが大事だと感じた次第です。
すぐに使える技だと思ったのは、アルバイトを始める際に見た求人広告を保存しておくことでしょうか。話が違う!と思ったときの証拠になりえます。普段から、自分のバイトでの活動を記録しておくこともポイントですね。
ブラックバイトという問題は学生だけの問題ではなく、日本の労働社会全体の問題だと言えます。以前よりは求人は回復し、企業を移りやすくなったものの、景気が良いと仕事が増えるわけで、現在働いている社員の負荷は増えますし、退職しようとする際の嫌がらせも増えることが懸念されています。景気がよくなったからと言って、ブラック企業問題、ブラックバイト問題がなくなるわけではないのです。