国内

シリア拘束男性が「民間軍事会社」を設立した経緯を父明かす

 シリアで、アル・カイーダ系の反政府武装組織「イスラム国」が“民間軍事会社”経営者である湯川遥菜氏(42)氏を拘束した。湯川氏とはどのような人物なのか。千葉県内の自宅アパートの大家が取材に応じた。

「仲介した不動産会社からインターネット関連の会社をやっている人と説明されました。不在の時でもエアコンがつけっぱなしのことが多かったので、室内でコンピューターが常時稼働しているのかなと思っていたのですが、ニュースで、『民間軍事会社』の人だと知り、驚いている次第です」

 各メディアが報じている通り、湯川氏はPMCという会社を経営していた(PMCはプライベート・ミリタリー・カンパニー=民間軍事会社の略称)。しかし、登記上の事業内容は輸入販売業などと記述され、本社所在地とされる住所にオフィスは存在しなかった。湯川氏が“民間軍事会社”を設立するまでの経緯を父・正一氏が明かす。

「息子は高校を卒業してから3年ほどして、友人と津田沼でミリタリーグッズの販売店を始めました。少しずつ規模が大きくなり、店が手狭になったので、幕張にもう少し大きめの店を構えた。一時は自衛隊の駐屯地に商品を卸していて、事業は順調でした」

 その後、正一氏が資本金の300万円を出して店舗の運営会社を設立し、千葉・幕張のビルに事務所を置いたという。

「会社を設立して数年後に、何か別の会社を私が知らない友人と共同で設立することになった。ところが、そちらの会社がうまく行かなくて、結局お店の運営会社を巻き込んで10年ほど前に倒産したんです。後始末には私も協力しました。ただ、その頃から息子とは疎遠になり、しばらくはほとんど会っていませんでした」

 正一氏は、会社の倒産までは湯川氏の下の名前は「正行」だったと明かした。音信不通になった期間に「遥菜」という名前に改名していたというのだ。

「去年の初め頃にふらりと姿を見せて、『人生に限界がきた』と口にしたんです。それを聞いた時に、このまま放ってはおけないと思い、アパートを借りてやるから再出発したらどうかといいました。それから民間軍事会社を始めると決めたようで、精力的に動き始めた矢先にこんなことになってしまった」

※週刊ポスト2014年9月5日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン