芸能

こども電話相談室 素朴な疑問よりも重たい人生相談が増加

 1964年に始まったTBSラジオの『全国こども電話相談室』は、今年でついに50周年を迎えた。現在は、『全国こども電話相談室・リアル!』(日曜午前9時~)として放送されている。

 番組がリニューアルしたのは2008年。それまでの電話で相談を受け付ける形式をやめ、まずはメールや手紙で相談を受けるようになった。レモンの被り物をした「レモンさん」こと山本シュウさんと「リアル相談員」として男女4人の中学生が、番組に寄せられる相談に耳を傾けて、一緒に考えていくスタイルだ。

 相談内容は、「いじめられているのに学校も親もわかってくれない、死にたい」「両親がケンカばかりしていてつらい」という人生相談が圧倒的に多くなった。

 先日の収録では「国語の成績が悪かった」と相談があったが、山本さんは相談者と話すうちに実は「国語の授業がつまらない」「本を読むのが嫌い」なのが悩みだったと話を整理した。山本さんが言う。

「番組のスタンスは、まずとことん話を聞くことから始めます。そして聞いただけでわかったつもりにならずに『それってこういうことなの?』と確認する。それから相手の気持ちに寄り添って、本当につらかったんだねと同調する。

 その後、今後どうすべきなのか解決メニューを一緒に考えます。目標を立てて、できる範囲で対策を考える。答えは相談者が出すことなので、ぼくたちが出しちゃいけない。国語の成績に悩んでいた子のように、話しているうちに実は違うところが悩みだったとわかることもある。話を聞いてもらうことで子供の悩みが整理されることがあるんです」

 昨年4月からリアル相談員の一員となった中学3年生の持田そらさんは番組から学んだことがある。

「今の私たちの時代と、お母さんやお父さんたちの子供時代は全然違う。お母さんたちにはそれをわかってほしいし、ちゃんと向き合ってほしい。子供の異変とかにも気づいて、私たちの居場所をつくってほしい」

 山本さんは「昔、近所にいた“おせっかいおばさん”の代わりが必要とされている」と言う。

「つらいことがあるけれど先生も親も誰も話を聞いてくれない。そんな子供たちが番組に電話をかけてきます。子供は話をしっかり聞いてくれる誰かがいることに安心するんです。学校に行けないと深刻な相談をしてきた子が1年後に『無事に卒業しました。今日は別の悩みがあって…』とメールをくれたときは、とても嬉しかったですね。子供たちに何かあったときに相談にのれる存在として、ずっとやっていきたいです」

※女性セブン2014年9月4日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン