国際情報

上海の寿司屋は鮮度に無関心 寿司はほぼ「マヨネーズ焼き」

 なぜ「中国毒食品」はなくならないのか。その根底には、日本人とは相容れない中国人特有の「衛生観念」があるはずだ──そのことを間近で観察するため、上海の寿司屋にバイトとして潜入した上海在住のジャーナリスト・西谷格氏が、その“無法ぶり”をリポートする。

 * * *
 出勤初日。ショッピングビル2階の店舗へと定時15分前に行ってみたが、誰もおらず、カギも掛けられたまま。しばらくすると5分前になってようやくリーダー風の男性が現われ、カギを開けてくれた。時間感覚が相当ユルい。

 作務衣風の縞模様の制服を私服のTシャツの上から羽織り、黒い帽子とエプロンを着用する。日本で寿司屋の板前というと白衣のイメージだが、汚れを目立たなくするためかすべて黒系で統一されていた。

 寿司カウンターに立って周囲を見渡すと、厨房内は一見してそれほど不衛生ではなかったものの、仔細に観察を続けているとギョッとした。寿司を握っていた先輩社員の手元を見ると、マグロとサーモンの切り身の並んだトレーが、作業台の上に常温で放置され続けているのだ。

 店内はエアコンが効いているとはいえ、生魚を保存できるような温度ではない。サーモンは色がくすんでぐにゃりとしなり、マグロは水分が抜けて赤黒くしなびている。品質が劣化しているのは明らかだった。先輩社員に「外に出しっぱなしなんですね」と指摘すると、彼は「本当は氷を敷くんだけどね」と口ごもり、いったん冷蔵庫へしまった。だが、30分後には元通りになっていた。

 鮮度を気にしないのには理由がある。店で出される寿司のほとんどが、マヨネーズ焼きで出されるからだ。出来上がった寿司の上からコショウやガーリックパウダーを振り、関西風のお好み焼きのように大量のマヨネーズを線状に垂らすのだ。さらにガスバーナーであぶるので、鮮度の悪さは完全にごまかせる。厨房の中で一口食べてみたが、こってりと油っこくて、寿司とは似て非なるものだった。

 またスタッフは仕事中、手洗いというものを一切しない。仕事を始める前やトイレなどに行った後でも、何もせず平然と素手で食材を触る。たまに手洗いをするとすれば、サーモンをさばいたあとなど自分の手がヌルヌルして不快になったときだけ。基準は自分本位なのだ。

※SAPIO2014年10月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

全米野球記者協会ニューヨーク支部主催のアワードディナーに出席した大谷翔平と、妻・真美子さん(左/時事通信フォト、右/提供:soya0801_mlb)
《真美子さんが座る椅子の背もたれに腕を回し…》大谷翔平が信頼して妻を託す“日系通訳”の素性 “VIPルーム観戦にも同席”“距離が近い”
NEWSポストセブン
司法省がアンドリュー元王子の写真を公開した(写真/Getty Images)
《白シャツ女性に覆いかぶさるように…》エプスタイン・ファイルで新公開されたアンドリュー元王子とみられる人物の“近すぎる距離感の写真” 女性の体を触るカットも
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
【2・8総選挙「大阪1〜10区」の最新情勢】維新離党の前職が出た2区、維新前職vs自民元職vs野党候補の5区で「公明党票」はどう動くか
NEWSポストセブン
なぜ実の姉を自宅で監禁できたのか──
《“お前の足を切って渡すから足を出せ”50代姉を監禁・暴行》「インターホンを押しても出ない」「高級外車が2台」市川陽崇・奈美容疑者夫妻 “恐怖の二世帯住宅”への近隣証言
NEWSポストセブン
東京拘置所(時事通信フォト)
〈今年も一年、生きのびることができました〉前橋スナック銃乱射・小日向将人死刑囚が見せていた最後の姿「顔が腫れぼったく、精神も肉体もボロボロ」《死刑確定後16年で獄中死》
NEWSポストセブン
間違いだらけの議事録は「AIのせい」(写真提供/イメージマート)
《何でもAIに頼る人たち》会社員女性が告白「ケンカの後、彼から送られてきた”彼女の方が悪い”とAIが回答したスクショ」ほどなく破局
NEWSポストセブン
国際ジャーナリスト・落合信彦氏
国際ジャーナリスト・落合信彦氏が予見していた「アメリカが世界の警察官をやめる」「プーチン大統領暴走」の時代 世界の“悪夢”をここまで見通していた
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト、2025年10月15日)
《頬がこけているようにも見える》高市早苗首相、働きぶりに心配の声「“休むのは甘え”のような感覚が拭えないのでは」【「働いて働いて」のルーツは元警察官の母親】 
NEWSポストセブン
ジェンダーレスモデルの井手上漠(23)
井手上漠(23)が港区・六本木のラウンジ店に出勤して「役作り」の現在…事務所が明かしたプロ意識と切り開く新境地
NEWSポストセブン
元日に結婚を発表した女優の長澤まさみ(時事通信フォト)
長澤まさみ「カナダ同伴」を決断させた「大親友女優」の存在…『SHOGUN』監督夫との新婚生活は“最高の環境”
NEWSポストセブン
国際ジャーナリスト・落合信彦氏
【訃報】国際ジャーナリスト・落合信彦氏が死去、84歳 独自の視点で国際政治・諜報の世界を活写 
NEWSポストセブン
薬物で急死した中国人インフルエンサー紅紅(左)と交際相手の林子晨容疑者(右)(インスタグラムより)
「口に靴下を詰め、カーテンで手を縛り付けて…」「意識不明の姿をハイ状態で撮影」中国人美女インフルエンサー(26)が薬物で急死、交際相手の男の“謎めいた行動”
NEWSポストセブン