TOTO、LIXILとも主に中国や東南アジアのトイレ未開拓地域に積極的な営業を行っているが、トイレ先進国にも見える欧米での普及も道半ばだという。それはなぜか。
「そもそも、世界中でトイレがある国は50%しかなく、その中でも水洗式のトイレは先進国のわずかな国しか普及していません。
ヨーロッパなどは水質の問題で温水洗浄便座が使えなかったり、イギリスではユニットバスの問題で感電防止のためバスルームでコンセントが使用できない法律があったりと、日本で通用している技術が生かせない環境もあるのです」(前出・マリトモさん)
まさに宝の持ち腐れといえるが、日本特有のガラパゴス文化で終わらせないためには、多機能性だけでなく「快適なトイレ空間」自体の伝播も必要だろう。