スポーツ

韓国バドミントン男子 アジア大会の優勝は02年釜山大会以来

 韓国・仁川で開催中のアジア競技大会バドミントン男子団体戦準々決勝の日本対韓国戦では、「風」問題が発生した。日本のエース・田児賢一が臨んだ第1試合のシングルス戦で田児は第1ゲームを取ったが、第2ゲームで田児にとっての向かい風が吹き、コートチェンジをした第3ゲームでも再び向かい風が吹いた。結局田児は逆転負け、チームも敗れる波乱となった。日本代表の舛田圭太コーチは第2ゲーム途中で逆風に気付いて審判本部に疑問を呈したが、退けられた。

 この時、会場内では準々決勝の4試合が同時に行なわれていたが、日本だけでなく中国、インドネシア、マレーシアからも同様に審判に「風」への疑問が呈されていた。この4か国は、今年5月に行なわれたバドミントン男子団体の世界一を決める「トマス杯」の準決勝に残った「世界のベスト4」である。そして、日本は同大会を制している。

 バドミントン男子団体は結局韓国が優勝したが、ちなみに韓国バドミントン男子代表がアジア大会で優勝したのはやはり地元開催だった2002年の釜山大会以来のこと。この時は決勝の相手であるインドネシアが線審の判定が恣意的だと猛抗議して試合が1時間半中断する事態が起きていた。

 今回の疑惑に対し、韓国メディアは「競技場の冷房に風速・風向きを調節するシステムはない」との組織委員会の説明をそのまま流し、自国の優勝を手放しで称えた一方、「空調の風のせいにした日本バドミントン」(中央日報、9月23日付)とバッシングのネタにすることも忘れなかった。

 しかし、決勝で韓国に敗れた中国代表の監督が試合後の会見で「バドミントン技術ではないもののせいで負けた」とこぼしたことは見逃せない。

 競技会場となった桂陽体育館の施設整備関係者は「組織委員会から会場の温度はシャトルがよく飛ぶ24度に設定するよう指示があった。ただ前日に停電が発生したので、21日に限っては節電のために手動で空調をつけたり消したりしていた」と明かした。試合に合わせた意図的な操作は否定したものの、少なくとも手動によるオン・オフ操作はあったのだ。それ自体、国際大会の常識から大きく外れるのは日本以外の各国の反応を見ても明らかだろう。

※週刊ポスト2014年10月10日号

関連記事

トピックス

12月9日に62歳のお誕生日を迎えられた雅子さま(時事通信フォト)
《メタリックに輝く雅子さま》62歳のお誕生日で見せたペールブルーの「圧巻の装い」、シルバーの輝きが示した“調和”への希い
NEWSポストセブン
宮崎あおい
《主演・大泉洋を食った?》『ちょっとだけエスパー』で13年ぶり民放連ドラ出演の宮崎あおい、芸歴36年目のキャリアと40歳国民的女優の“今” 
NEWSポストセブン
悠仁さまが2026年1月2日に皇居で行われる「新年一般参賀」に出席される見通し(写真/JMPA)
悠仁さまが新年一般参賀にご出席の見通し、愛子さまと初めて並び立たれる場に 来春にはUAE大統領来日時の晩餐会で“外交デビュー”の可能性も、ご活躍の場は増すばかり
女性セブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
日本にも「ディープステート」が存在すると指摘する佐藤優氏
佐藤優氏が明かす日本における「ディープステート」の存在 政治家でも官僚でもなく政府の意思決定に関わる人たち、自らもその一員として「北方領土二島返還案」に関与と告白
週刊ポスト
会社の事務所内で女性を刺したとして中国籍のリュウ・カ容疑者が逮捕された(右・千葉県警察HPより)
《いすみ市・同僚女性を社内で刺殺》中国籍のリュウ・カ容疑者が起こしていた“近隣刃物トラブル”「ナイフを手に私を見下ろして…」「窓のアルミシート、不気味だよね」
NEWSポストセブン
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している(Instagram/時事通信フォト)
《大谷翔平のハワイ高級リゾート裁判が長期化》次回審理は来年2月のキャンプ中…原告側の要求が認められれば「ファミリーや家族との関係を暴露される」可能性も
NEWSポストセブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン
高羽悟さんが向き合った「殺された妻の血痕の拭き取り」とは
「なんで自分が…」名古屋主婦殺人事件の遺族が「殺された妻の血痕」を拭き取り続けた年末年始の4日間…警察から「清掃業者も紹介してもらえず」の事情
(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
熱を帯びる「愛子天皇待望論」、オンライン署名は24才のお誕生日を節目に急増 過去に「愛子天皇は否定していない」と発言している高市早苗首相はどう動くのか 
女性セブン
「台湾有事」よりも先に「尖閣有事」が起きる可能性も(習近平氏/時事通信フォト)
《台湾有事より切迫》日中緊迫のなかで見逃せない「尖閣諸島」情勢 中国が台湾への軍事侵攻を考えるのであれば、「まず尖閣、そして南西諸島を制圧」の事態も視野
週刊ポスト