ビジネス

【日本株週間見通し】海外市場の影響を受けやすい局面が続く

 投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の9月29日~10月3日の動きを振り返りつつ、10月6日~10月10日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は下落。外部環境の不透明要因が相次ぐなか、海外ファンド等の換金売りとみられる商いによって調整色が強まった。週初は、米4-6月期GDP改定値が上方修正されたことや、臨時国会での安倍晋三首相の所信表明演説を受けて円相場が円安に振れたこともあり、上昇して始まった。しかし、円相場はその後一時6年1ヶ月ぶりに110円台に乗せる局面もみられたが、これを契機に外需セクターなどは利益確定の売りが優勢へ。

 さらに、1日の米国市場では、9月ISM製造業景況指数が下振れたほか、ドイツの9月製造業PMIが予想外に50を割り込んだことなどが嫌気されNYダウが200ドルを超す大幅な下げに。香港の民主派によるデモ拡大、米国内でのエボラ患者確認の報道なども不安材料となるなか、2日の日経平均は400円を超す下落となった。

 週末についても米雇用統計を控えて膠着のなか、「ユニクロ」の既存店売上高の好調が伝えられたファーストリテイリング<9983>が日経平均を下支えしたほか、塩崎恭久厚労相や黒田東彦日銀総裁発言を受けて円相場が若干円安に振れたことで、辛うじて反発をみせた状況だった。

 非公式の外資系証券経由の売買注文動向は、ここにきて売り越し基調が継続している。米ミューチャル・ファンドによる節税目的での売りとの見方などもされている。また、先物主導による投機的な売りとの見方もされるなか、今後しばらくは海外勢の需給動向を見極める必要がありそうだ。また、香港の民主派によるデモ拡大、米国内でのエボラ感染者の動向などが相場の変動要因になりかねないため、メディアに振らされる展開には注意しておきたいところだ。

 日経平均は先週の下げで13週線までの調整を経ており、値幅調整は一巡した。日柄調整に向かわずに一巡感が台頭してくるようだと、いったんはリバウンドを意識したスタンスとなろう。もっとも、今週は日銀の金融政策決定会合のほか、IMFの世界経済見通し、FOMC議事録、ECBのドラギ総裁の講演、G20財務相・中央銀行総裁会議などが予定されており、各国の金融政策への関心が高まりやすい。先週同様、海外市場の動向などの影響も受けやすくなりそうだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン