ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、ネット上で話題となっているトピックを紹介。今回は、登山者向けSNSをピックアップします。
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御嶽山の噴火において、当時の現場の様子をもっとも克明に、生々しく報告したのは、近くにいた登山者たちがネットに公開した動画・写真でした。噴煙が上がる様子を撮影し、そこからどう行動するかの一部始終が映像で残っていたり、避難小屋内が真っ暗になる様子・そこでの悲鳴なども知ることができました。
ゲリラ豪雨や、東京で突然雹(ひょう)が降ってきた様子なども今年の夏は多数ネットに投稿されましたが、こうした動画や写真にマスメディアが頼ったというのもここ昨今の傾向です。
今回の噴火では、登山者の多くがネットで積極的に情報発信をしています。「ヤマレコ」という登山の記録を地図や行程とともに記録できるSNSでは、「御嶽山噴火遭遇顛末」と題され、当時の様子が克明に記されています。
「(4)熱風が30秒から1分程度、時間をおいて3回以上きた。息ができないほど熱くて仕方がないので息を止めた。あれが長時間続けば息ができず死んでいた」
「(23)翌日、出勤する。体調は悪くないがセキとタンが多い。セキをすると鉄、血の味がする」
と翌日の様子まで記録されています。
また、噴火の1分前に山頂近くで「一人でのんびり御嶽山(^^)」と写真つきでツイートした人がその後更新を止めたため心配されましたが無事でした。しかし、注目されたいと思ったのか、この人の「なりすまし」も登場しました。人の不幸を利用して注目を集める、とんだ不届き者もいたもんですね。
※女性セブン2014年10月23・30日号