芸能

固定イメージ持つアニメキャラ CMでメッセージを伝えやすい

「あしたの健保プロジェクト」CMの一場面 (C)藤子A・シンエイ・中央公論新社

 日々多くのメディアを介して目にする広告。その広告キャラクターとして、旬のタレントや著名人が起用されるケースが目立つが、同様にさまざまな広告で使われることが多いのは、アニメやコミックなどの登場人物。「世界名作劇場」の「ムーミン」「アルプスの少女ハイジ」「あらいぐまラスカル」をはじめ、実写映画も話題になった「ルパン三世」、「天才バカボン」「おそ松くん」といった赤塚不二夫作品、同時期に複数企業の広告に登場することもある「ドラえもん」ほか、幅広い年代に認知が高く、長く親しまれているキャラクターは、人気が高い。

 こうした繰り返し起用されるキャラクターの中で、“お家芸”や“鉄板の一発芸”のように、使われ方自体も定番化しているのが藤子不二雄Aの名作「笑ゥせぇるすまん」の喪黒福造だ。

 10月7日からOAが始まった健康保険組合連合会の「あしたの健保プロジェクト」TV CMでは、健康保険料の増加によって給与の手取り額に影響が出ている――などの注意を促しており、具体的な金額の推移なども解説しているのだが、印象に残るのは登場直後の「ドーン!」の文字を背景にしたキメ顔。口は全開で笑っているのに、目が笑ってない状態でこちらを指差す姿は、なんの落ち度がなくても“なんか自分、マズイ状況になってる?”という気になる。

 同プロジェクトの情報をサイトで実際に見てみると、自分たちが何気なく利用している健康保険制度に対して、理解が足りないことに気づかされるのだが、“なんか自分、マズイ状況になってる?”と感じた印象と相まって、「ちゃんと考えないとなぁ」と思うのだ。

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