少し前まで「本場・中国の味」「中国4000年の歴史」というキャッチコピーが消費者に効いた時代があった。だが品質や衛生面への意識が強い現代の日本人にとって、そうしたコピーがプラスに働かないことを知っているのは「王将」だけではない。埼玉県を中心にチェーンを展開する「餃子の満州」も「餃子の具材は国産100%」を謳っている。味に定評のある味の素の餃子のパッケージには、自社のロゴよりも大きく「国産野菜使用」とプリントされている。それが消費者の求めているものなのだ。
もっとも北京を中心とした粉食文化の多様性には、日本のコナモノはいまだ及ばない。中国との間に横たわる食の安全や衛生面の課題がクリアされ、草の根レベルでのさらなる食文化交流が実現したとき、コナモノを含めた日本の食文化はもう一段発展することになるはずだ。