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カープ女子で経営安定の広島 マツダとの連携強化なら常勝か 

カープの筆頭株主であるマツダはV字回復で業績好調

 惜しくもクライマックスシリーズ(CS)に敗れ、23年ぶりのリーグ制覇とはならなかった広島東洋カープ。だが、近年は熱烈ファンの“カープ女子”効果もあり、主催試合の観客動員数は150万人を下らず、安定した球団人気を保っている。

 安定しているのは経営面も同じ。2013年の売上高は106億6290万円。2年連続で100億円超えを果たしている。当期利益に至っては1975年から39年連続で黒字を続けているというから、球団経営に四苦八苦するチームが多い中にあっては立派だ。

 カープは古くから「市民球団」の旗印を掲げて、親会社を持たずに独立採算制の経営スタイルを敷いていることで知られる。

 本拠地の広島市民球場は地元メーカーのマツダが命名権を取得し、「MAZDA Zoom―Zoom スタジアム広島」となっていることから、マツダが経営していると思っている人も多いだろうが、実態は違う。

「確かにマツダは30%以上の球団株を保有し、新型車のカラーを選手のヘルメットに採用するなど間接的に支援はしているが、あくまで出資者というスタンス。直接、球団運営にタッチすることはなく、仮にカープが赤字経営になっても補填などの資金提供は行わない方針をとっている」(地元紙記者)

 現在、カープのオーナーはマツダ創業家の松田元氏。グッズ販売などで手腕を発揮し、次期オーナーの呼び声も高いオーナー代行の松田一宏氏は元氏の弟の長男。つまり、松田一族のカープ支配が続いているのだが、それでもマツダとの連携が薄いのはなぜなのか。

「カープ自体は原爆被害からの復興を目指したプロ野球球団として市民球団の位置づけにあるため、筆頭株主であるマツダは口出しできないという理由もありますが、それ以外にマツダと創業家の関係性も大きい。

 1970年代のオイルショックでマツダの前身である東洋工業が経営危機に陥った際、当時の松田耕平社長が経営責任を取って非創業家にバトンを渡し、1979年マツダとフォードの資本提携を機にマツダ株も放出しました。それ以降、マツダにおける創業家の発言力はみるみる低下していきましたが、球団の経営権だけは手元に残す形になったのです」(『月刊BOSS』の児玉智浩記者)

 マツダへの威光がなくなった創業家ゆえに、球団経営は死守すべき大事な稼ぎ頭ともいえるわけだ。しかし、「市民球団を名乗っている以上、松田一族がいつまでも私物化するのはおかしい」(カープファン)との批判も根強い。

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