芸能

看板女優・苫田亜沙子 劇団四季の厳しい教えと公平さを語る

 創立61周年を迎えた今も日本の演劇界を牽引し続ける『劇団四季』。人気演目は数知れず、なかでもブロードウェイで人気を博し2007年に日本初上陸、2013年8月から2度目の東京公演を続けている電通四季劇場[海]にて上演中の『ウィキッド』がついに11月16日で千秋楽を迎える。長きにわたりその主役を務めるのが苫田亜沙子。

 彼女は入団4か月で『オペラ座の怪人』クリスティーヌ・ダーエに選ばれるなど、劇団四季を支える看板女優のひとり。1日密着すると彼女の明るくキュートな"素の魅力"が、役柄に結びついていることがわかった――。

 劇団四季ミュージカル『ウィキッド』の原作は不朽の名作『オズの魔法使い』。その知られざるプロローグを描いた作品で、2人の少女が『西の悪い魔女』と『南の善い魔女』になるまでの数奇な運命をドラマティックかつ華やかに描いたもの。その「南の善い魔女=グリンダ」が苫田亜沙子の役どころだ。

「グリンダは、全ての感情が素直で嘘がなくて純真。好きか嫌いしかない、真っ直ぐでとてもかわいらしい性格ですね」

 京都市立芸術大学音楽学部音楽学科声楽専攻に進学。大学卒業前に見事、入団を決めた。子供の頃、少しはバレエを嗜んでいたが本格的に始めたのは入団してから。

 劇団四季では基本三法と呼ばれる「母音法・呼吸法・フレージング法」を徹底的に叩き込まれる。また「慣れ・だれ・崩れ=去れ」「一音落とす者は、去れ!」という俳優の心得をベテランから新人までが墨守する。主役をやっているからと妥協は許されない。

「これが守れなければ劇団四季の俳優ではないと言われるくらい、厳しい教訓。公演当日でも、ベストコンディションでないと、キャストは変更されます。1つの役に対して5~6人がキャスティングされているからできることなんです。それもこれも、お客様に完成された舞台を楽しんでいただくため。個人プレーに走らず、みんなで作品をもっともっとよくしようと努力を惜しまない。厳しい教えがあるからこそ、劇団として本来あるべき良い姿が劇団四季にはあるんです」

 そんな『ウィキッド』も16日に千秋楽を迎える。と同時に新しい役のオーディションも始まっている。

「ベテラン、若手関係なく、ひとつの役に対してオーディションが行われるのが劇団四季。みんなにチャンスがあるんです。信じて努力すれば夢は本当に叶うし、実現するんです!」

 12月20日から『劇団四季FESTIVAL!扉の向こうへ』が開幕される。

※女性セブン2014年11月20日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
実業家の宮崎麗香
《セレブな5児の母・宮崎麗果が1.5億円脱税》「結婚記念日にフェラーリ納車」のインスタ投稿がこっそり削除…「ありのままを発信する責任がある」語っていた“SNSとの向き合い方”
NEWSポストセブン
出席予定だったイベントを次々とキャンセルしている米倉涼子(時事通信フォト)
《米倉涼子が“ガサ入れ”後の沈黙を破る》更新したファンクラブのインスタに“復帰”見込まれる「メッセージ」と「画像」
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン
峰竜太(73)(時事通信フォト)
《3か月で長寿番組レギュラー2本が終了》「寂しい」峰竜太、5億円豪邸支えた“恐妻の局回り”「オンエア確認、スタッフの胃袋つかむ差し入れ…」と関係者明かす
NEWSポストセブン
2025年11月には初めての外国公式訪問でラオスに足を運ばれた(JMPA)
《2026年大予測》国内外から高まる「愛子天皇待望論」、女系天皇反対派の急先鋒だった高市首相も実現に向けて「含み」
女性セブン
夫によるサイバーストーキング行為に支配されていた生活を送っていたミカ・ミラーさん(遺族による追悼サイトより)
〈30歳の妻の何も着ていない写真をバラ撒き…〉46歳牧師が「妻へのストーキング行為」で立件 逃げ場のない監視生活の絶望、夫は起訴され裁判へ【米サウスカロライナ】
NEWSポストセブン
シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン
愛子さまのドレスアップ姿が話題に(共同通信社)
《天皇家のクリスマスコーデ》愛子さまがバレエ鑑賞で“圧巻のドレスアップ姿”披露、赤色のリンクコーデに表れた「ご家族のあたたかな絆」
NEWSポストセブン
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト