ビジネス

【日本株週間見通し】12月IPOは28社 掉尾の一振への意識も

 投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の11月25日~11月28日の動きを振り返りつつ、12月1日~12月5日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は上昇。連休明けの東京市場は続伸で始まった。前週末に中国が予想外の利下げを発表、これを好感した欧米市場の上昇を受けて始まった。しかし、日経平均は心理的な節目の17500円には届かず。11月SQ値(17549.60円)が依然として年初来高値を上回っている状況であり、幻のSQであることも、需給的には上値追いを慎重にさせた。

 その後は、米国では感謝祭の祝日を控えていることから商いが膨らみづらいほか、衆院選の行方を見極めたいとのムードもあり、こう着感の強い相場展開が続き、週後半には17200円台まで下げる局面もみられた。TOPIXイベントなどの需給に振らされた面もあった。

 ただ週末は10月の鉱工業生産指数が、前月比0.2%上昇とコンセンサス(0.6%低下)を上回ったことが好感された。また、石油輸出国機構(OPEC)が27日の総会で、原油生産量を据え置くことを決めた。OPECの協調体制は乱れたままであり、原油安は長期化する可能性が高まっているとの見方の中、原油安メリット銘柄への物色に向かわせた。月末のドレッシング買いなども入り、日経平均は狭いレンジながらも、週間の高値圏での取引に。

 今週は名実ともに師走相場入りとなる。2日に衆院選が公示されることで、選挙相場への思惑が改めて確認されそうである。29日にはネット討論会が行われるが、12月1日には与野党8党党首による討論会が開催される。与党優位との見方が高まるようなら、長期政権を意識した物色に向かわせよう。また、掉尾の一振への意識が高まりやすい中、個人主体の売買が活発化することになろう。12月はIPO(新規上場)が28社予定されている。今年1番のパフォーマンスを求め思惑的な動きも出てくることになるだろう。

 米国で経済指標の発表が多く、週末には雇用統計が予定されている。指標内容の影響を受けやすいほか、ブラック・フライデー、サイバー・マンデーなど年末商戦の動向も手掛かり材料になりそうである。ただし、指標内容の影響等から膠着となり、次第に雇用統計を見極めたいとのムードにつながる展開は想定内であろう。こう着となったとしても、個人主体の中小型株やテーマ性のある材料株への物色はより活発になるとみておきたい。

関連キーワード

関連記事

トピックス

詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
【伊東市・田久保市長が学歴詐称疑惑に “抗戦のかまえ” 】〈お遊びで卒業証書を作ってやった〉新たな告発を受け「除籍に関する事項を正式に調べる」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者が逮捕された
《不動産投資会社レーサム元会長・注目の裁判始まる》違法薬物使用は「大きなストレスで…」と反省も女性に対する不同意性交致傷容疑は「やっていない」
NEWSポストセブン
女優・福田沙紀さんにデビューから現在のワークスタイルについてインタビュー
《いじめっ子役演じてブログに“私”を責める書き込み》女優・福田沙紀が明かしたトラウマ、誹謗中傷に強がった過去も「16歳の私は受け止められなかった」
NEWSポストセブン
告示日前、安野貴博氏(左)と峰島侑也氏(右)が新宿駅前で実施した街頭演説(2025年6月写真撮影:小川裕夫)
《たった一言で会場の空気を一変》「チームみらい」の躍進を支えた安野貴博氏の妻 演説会では会場後方から急にマイクを握り「チームみらいの欠点は…」
NEWSポストセブン
中国の人気芸能人、張芸洋被告の死刑が執行された(weibo/baidu)
《中国の人気芸能人(34)の死刑が執行されていた》16歳の恋人を殺害…7か月後に死刑が判明するも出演映画が公開されていた 「ダブルスタンダードでは?」の声も
NEWSポストセブン
13日目に会場を訪れた大村さん
名古屋場所の溜席に93歳、大村崑さんが再び 大の里の苦戦に「気の毒なのは懸賞金の数」と目の前の光景を語る 土俵下まで突き飛ばされた新横綱がすぐ側に迫る一幕も
NEWSポストセブン
学歴を偽った疑いがあると指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長(右・時事通信フォト)
「言いふらしている方は1人、見当がついています」田久保真紀氏が語った証書問題「チラ見せとは思わない」 再選挙にも意欲《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、夫の音楽家・塩入俊哉氏(時事通信フォト、YouTubeより)
「結婚前から領収書に同じマンション名が…」「今でいう匂わせ」参政党・さや氏と年上音楽家夫の“蜜月”と “熱烈プロデュース”《地元ライブハウス関係者が証言》
NEWSポストセブン
学歴を偽った疑いがあると指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長(共同通信/HPより)
《伊東市・田久保市長が独占告白1時間》「金庫で厳重保管。記録も写メもない」「ただのゴシップネタ」本人が語る“卒業証書”提出拒否の理由
NEWSポストセブン
7月6~13日にモンゴルを訪問された天皇皇后両陛下(時事通信フォト)
《国会議員がそこに立っちゃダメだろ》天皇皇后両陛下「モンゴルご訪問」渦中に河野太郎氏があり得ない行動を連発 雅子さまに向けてフラッシュライトも
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、経世論研究所の三橋貴明所長(時事通信フォト)
参政党・さや氏が“メガネ”でアピールする経済評論家への“信頼”「さやさんは見目麗しいけど、頭の中が『三橋貴明』だからね!」《三橋氏は抗議デモ女性に体当たりも》
NEWSポストセブン
かりゆしウェアをお召しになる愛子さま(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《那須ご静養で再び》愛子さま、ブルーのかりゆしワンピースで見せた透明感 沖縄でお召しになった時との共通点 
NEWSポストセブン