DHAとEPAはいずれも青魚に含まれる脂肪酸で、近年、国内外で注目されている成分のひとつ。消費者庁は2012年に行なった「食品の機能性評価」の中で、DHA・EPAの「心血管疾患リスクを低減する」「血中中性脂肪を低下させる」「関節リウマチ症状緩和する」の3つの機能性を「A」(=機能性について明確で十分な根拠がある)と評価。ちなみに同機能性評価のうち、Aを獲得している成分はDHA・EPAだけである。
そのほか日本人を対象にした疫学研究では、DHA・EPAを1日0.9g以上摂取している人は心筋梗塞のリスクが減ることもわかっている。これを受けて厚生労働省は、「日本人の食事摂取基準(2010年版)」でDHA・EPAの摂取目標を「1日1g以上」(18歳以上)として、積極的に推奨している。
しかし現実には、食事の欧米化が進み、日本人の魚の摂取量は20年程前と比較して約3/4に減少。特に30~49歳の男性のDHA・EPA摂取量が少なく、1日あたり0.325gと、厚生労働省の目標値1gには遠くおよばない。こうしたDHA・EPAの摂取不足を補う目的で、同ニュースレターでは料理研究家・浜内千波先生による、この時期に旬の魚を使ったレシピも紹介。そのうちのひとつが、寒さが増した今の季節にぴったりで、簡単にできる「ブリのあつあつ茶漬け」だ。
<材料/4人分>
ご飯 4杯分/ぶり(刺身) 300g/のり、わさび、ねぎ 適宜/お茶か熱湯 たっぷり/しょうゆ 適宜/ごま 少々
<作り方>
ぶりを薄く切り、ご飯の上にのせ、ねぎ、のり、わさびをトッピング。しょうゆをかけ、お茶か熱湯を注ぐ。
健康に効果的な栄養を摂れる簡単レシピというだけでなく、暴飲暴食しやすいこの季節に、“サラッとしていて、身体があたたまって、免疫力アップ”というのは、嬉しいメニューでもある。うがいや手洗いといった“ウイルスを入れない”予防策と合わせて、旬の魚を取り入れたレシピなどは、身体の“内側からも予防する”アプローチの幅を広げてくれそうだ。